【知ってる?参議院】質問時間 長答弁許さぬ「片道方式」

西日本新聞 総合面

 国会の花形とされる予算委員会。それが今国会、参院では3月27日以降開かれないため、野党が委員長の解任決議案を提出(否決)する事態になった。予算委は、首相出席時はテレビ中継されるため注目度も高く、野党にとって格好のアピールとなるためだ。

 参院で審議に立つ野党議員の質問は衆院に比べて短く、テンポも速い。理由は質疑時間の計算方法の違いにある。衆院は議員の質問と政府答弁の時間を合わせてカウントする「往復方式」。一方、参院では、集中審議を除き、質疑時間に政府答弁を含まず、議員の質問時間のみカウントする「片道方式」だ。

 関係ない話を延々とする長答弁を防ぐ効果があり、野党議員は「大きな武器」と口をそろえる。自民党の閣僚経験者も「片道方式は正直きつい。挑発などで、いかに野党に長くしゃべらせるかが勝負だ」と明かす。

 参院事務局によると、片道方式は1952年に始まった予算委だけの慣習。導入理由が分かる資料はないが、背景にあるとみられるのが「衆院の優越」規定。予算案は衆院通過後、参院で審議中でも30日で自然成立する。職員は「全閣僚がそろう予算委で、参院の質問権を保障するために導入したのでは」と推測する。

 時間のカウント方法も独特だ。話す時間でなく、質問者が立っている時間が質問時間と見なされ、持ち時間が減る方式。ポイントは尻が椅子から浮いているかどうか。チェック係は質問者の前に座る「時計係」の職員。気が抜けない職員は「前夜は禁酒」。トイレにも立てないため、当日は水分を取らないという。

 素早く座るため、質問中は中腰状態のベテラン議員も。「秒単位で時間を節約する熟練の技だ」(野党関係者)という。

 参院事務局は議員に割り当てた持ち時間を2・5~3倍して終了見込みの時間をはじくが、延びることもしばしば。今国会は統計不正問題の質疑で紛糾し、見込みから2時間以上遅れたことも。「終わりが読めず、夜の日程が組みにくい」。与野党から不満も出るが、そこは「良識の府」らしく、国会で中身のある議論を期待したい。 

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