一軒家「お試し居住」好評 昨年度は5組が移住 大牟田市

西日本新聞 筑後版

「お試し居住」で使われている一軒家のウッドデッキと庭(大牟田市提供) 拡大

「お試し居住」で使われている一軒家のウッドデッキと庭(大牟田市提供)

自宅前で大牟田市での生活を語る山岸孝さん、浩子さん夫妻

 大牟田市への移住を促進する官民連携団体「おおむた移住定住サポート会議」が取り組む「お試し居住」が好調だ。初年度の2017年度は賃貸マンションを使い、県内外の5組が利用したが移住決定者は出なかった。ところが18年度は一軒家の空き家を使用すると、年間延べ19組の利用で、子ども連れを含め計5組の移住に結びついた。同会議は「一軒家で周囲と接する機会が増え、生活のしやすさが実感できるようになった」と分析している。

 一昨年6月に発足した会議は、移住決定の主導権を握るとみられる「女性目線」を大事にしようと、メンバー11人全員が女性。会社経営者や農業者、子育て中の母親、移住者などさまざまな立場の女性たちが集う。移住希望者向けのお試しツアー実施や、大牟田の住みよさをアピールするパンフレット作成などにも取り組んでいる。

 お試し居住は、大牟田市への移住を検討している市外在住者に、家具付きの住居を3~14日間無料で提供する制度で、居住者に女性が含まれることを条件にしている。

 11カ月間で実施した18年度に提供した家屋は、築43年のリフォーム済みの木造平屋。市街地のマンション1室を提供していた17年度(3カ月間)と比べて市中心部からは離れているが、近くにスーパーもある住宅街の庭付き4DKで、縁側にウッドデッキを備える。

 利用者は東京や愛知、福岡、鹿児島などの30~60代で、夫婦2人や3世代家族などさまざまだった。利用後のアンケートでは「わが家のようにくつろげた」「静かな環境でのんびりできた」と満足度が高かった。「周囲が優しくしてくれた」「あいさつなどの交流もあった」との声も聞かれたという。さらに大牟田への移住検討の理由を尋ねると「山、海などの自然環境に恵まれている」「物件が多く安い」「思ったより商業、交通インフラが充実している」など、住みよい街と実感した利用者が多かった。

 19年度のお試し居住も、同じ一軒家を使って既に始まっている。移住者を増やすのは市の重要課題の一つで、会議の事務局を担う市広報課は「都会でも田舎でもないちょうど良い街のアピールに向け、さらに工夫を重ねたい」としている。

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「物価安く、食べ物おいしい」 千葉から移住の山岸さん夫妻

 昨年9月と今年3月に「お試し居住」を計15日間利用した山岸孝さん(64)、浩子さん(58)夫妻は千葉県船橋市から4月、浩子さんの母(87)と3人で大牟田市の一軒家に移住した。孝さんは「物価は安いし、食べ物もおいしい。アパート暮らしだったが、別居していた母親の家賃も合わせれば、家賃負担は半分になった。大牟田に来て本当に良かった」と話す。

 浩子さんは熊本県荒尾市に生まれ、中学までは大牟田に住んでいた。母の姉妹3人は今も筑後地区に住み、孝さんが仕事をやめて療養が必要になったこともあり、大牟田移住を検討したという。浩子さんは「家具類もそろっているお試し居住で何不自由なく生活でき、大牟田暮らしを十分に実感できた」と、引っ越しの決断理由を語る。

 現在借りている一軒家は、2回目のお試し居住の際に決めた。孝さんは「ホテルに宿泊しながらだったら、こんなにじっくり選べなかった」と感謝する。

 近所付き合いも始まり、孝さんは趣味の釣りにも出掛ける。浩子さんは「子どもの頃よりさびれた印象もあるが、歩いて行ける距離で何でもそろうのもいい。都会では考えられないほど皆さんが親切にしてくれるし、こんなに住みよい街だったとは」と喜んでいる。

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