豪雨の土砂で水田再生 朝倉市で稲作実証実験

西日本新聞 ふくおか都市圏版

 九州豪雨で多くの農地が被災した朝倉市で23日、災害で発生した土砂を使った水田で稲を作る実証実験が始まった。川沿いの農地は濁流が押し寄せて跡形もなくなったり、大量の土砂が堆積したままだったりして、復旧は容易でない。市は一から農地をつくり直す準備を進めており、作付けに適した土を確保するため土砂の活用に目を付けた。市の取り組みに住民も協力し、県やJAなどが側面支援する“水田再生プロジェクト”が始動した。

 市によると被災農地のうち、平野部の549ヘクタールは土砂を撤去して復旧。だが赤谷川など9河川の流域部約200ヘクタールは元の形に戻すことが難しく、区画整理して再生する計画だ。

 現在、流域部の農地には水持ちが悪い砂質の土(真砂土(まさど))が堆積している。市は平野部で取り除いた粘性の土(粘性土)を表土に、真砂土と粘性土を混ぜた土を水漏れを防ぐための基盤土に活用したい考えだ。

 実験田は赤谷川が氾濫し大きな被害があった松末地区に整備。地元から提供を受けた土地に、表土と基盤土の厚さが異なる10アールの水田を3区画造成した。

 地元住民でつくる松末生産組合が管理し、県朝倉普及指導センターなどがアドバイスしていく。肥料などは、JA筑前あさくらと西日本新聞エリアセンター連合会による「志縁プロジェクト」に寄せられた募金から提供している。

 この日は同組合が試験田の一部で手作業による田植えを企画。地元住民ら約60人が農地再生への願いを込め、苗を一本一本丁寧に植え付けた。市農地改良復旧室の末石豊伸室長は「地域や関係機関の協力なしにはできなかっただけに、感謝の思いでいっぱい。農地再生に向け全力で頑張りたい」と語った。 

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