米中と距離、独自外交で存在感 ASEAN首脳会議

西日本新聞 国際面

 23日のASEAN首脳会議では「インド太平洋の展望」と名付けた独自の外交方針も採択した。巨大経済圏構想「一帯一路」を推進する中国と、「自由で開かれたインド太平洋」構想を掲げる米国のどちらにも肩入れせず、双方と距離を置いて摩擦を避け、ASEANの存在感をアピールしたいとの狙いが透ける。

 それによると、米中が影響力拡大を競うインド太平洋地域について「対立ではなく対話と協力の地域」と強調。海洋資源の管理などに各国が平和的に協調して取り組めば、繁栄をもたらすと提案した。ただし「新たな枠組みでも、既存の枠組みからの変更でもない」と明記。米中両国を刺激しないよう配慮した。

 米中の貿易摩擦の激化により、タイやシンガポールでは対中貿易額が減少しており、ASEAN加盟国の間には、米中対立の悪化が域内の貿易や投資を冷え込ませるとの懸念がある。

 今回の首脳会議で、RCEPの年内合意を再確認したのも、連携強化によって地域での貿易や投資の減少を食い止めるのが狙いだ。タイのプラユット首相は記者会見で、米中を念頭に「ASEANの重要な貿易相手間の緊張に留意する」と述べ、危機感を示した。

 タイ訪問中のマレーシアのマハティール首相は21日、関連行事で講演し「私たちはどちらか一方の側に付くべきではない」と強調。その上で「中国が地域の大国であることを認める必要がある」とも述べた。 (バンコク川合秀紀)

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