どんよりした空が続くこの時季

西日本新聞 社会面

 どんよりした空が続くこの時季、緊急車両や防災行政無線から、時折流れるサイレンを聞くと憂鬱(ゆううつ)な気持ちになる。あの日の記憶がよみがえるからだろう。

 2017年7月、大分県日田市は九州豪雨に襲われた。サイレンを鳴らし行き交う車、ひっきりなしに飛ぶ救助のヘリ…。「鉄橋が流された」「土砂崩れだ」などと、緊迫した情報が次々に飛び込んできた。取材に向かった記者は濁流に足止めされ、間一髪、避難所に逃れた。

 あれから2年。豪雨の傷痕が市内から少しずつ姿を消す中、「記憶を風化させまい」と奮闘する人たちを取材している。その一人、被災した小学校の当時の校長は来年3月の定年後、防災士として地域に体験を伝えていくという。

 毎年のように起きる災害から住民を守りたい‐。そんな思いで取り組む地道な活動を、息長く伝えていくことこそが地元紙の使命だと思っている。 (杉野斗志彦)

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