降らぬ雨…農業へ懸念じわり 水資源機構が取水制限 筑後地区

西日本新聞 筑後版

矢部川の利水組合「花宗用水組合」の事務所では、てるてる坊主ならぬ「ふれふれ坊主」を軒先につるし降雨を祈っている 拡大

矢部川の利水組合「花宗用水組合」の事務所では、てるてる坊主ならぬ「ふれふれ坊主」を軒先につるし降雨を祈っている

 1951年の統計開始以降、梅雨入りが最も遅くなり、雨が降らない九州北部地方。筑後地区などに水を供給する独立行政法人水資源機構筑後川局が渇水対策本部を設置するなど、水不足に備えた対策が本格化してきた。主要産業である農業への影響を心配する声も上がり始めている。

 機構によると、小郡市、大刀洗町の農地に供給する小石原川からの取水量を23日から減らした。機構が管理する江川ダム(朝倉市)などの貯水量を少しでも長く維持させるための措置だ。

 さらに久留米、大牟田、柳川など7市1町の農業用水の多くを賄う筑後川からの取水も、17日から水利権で決められた水量の6~7割程度にとどめ、23日からはさらに抑えている。久留米市によると、田植えはやや遅れている地域があるものの「イネの生育に影響が出るほどではない」(生産流通課)というが、機構は節水を呼び掛ける。

 矢部川上流の日向神ダム(八女市)の有効貯水率も24日朝現在で、15・4%まで低下。雨が降らなければ26日にもゼロになる見通しで、その後はダム湖の下部にたまった底水(150万トン)を放流する。管理する県によると、田植えの時季のため、現在はダムから川への補給を続けているが、「有効貯水量がゼロになれば底水からの放流は絞らざるを得ない」と話す。

 八女市によると、用水路が整う平野部では今のところ田植えに大きな影響は出ていない。一方で「山水などが頼りの中山間地では田植えができず、雨を待っている地域もある」と心配する。

 影響は農業ばかりではなさそうだ。初夏を代表する味覚、エツ漁(7月20日まで)への影響を懸念する声もある。下筑後川漁協の中園正彦組合長によると、筑後川の流量が低下すると、河口側の塩分濃度が上がり、エツがより上流へと遡上(そじょう)し、下流で捕れなくなる恐れがある。中園組合長は「塩分が高まると産卵してもふ化せず、来年以降の影響も心配だ」と話す。

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