文武両道の空手指導40年 道着姿でまず勉強 宮若市の文武館

西日本新聞 筑豊版

「文武館」で子どもたちを指導する沢田憲孝代表 拡大

「文武館」で子どもたちを指導する沢田憲孝代表

全日本少年少女空手道選手権大会に県代表として出場する大塚史遠君(右から3人目)と溝上天音さん(同4人目)

 宮若市芹田に、空手と勉強の文武両道を目指す道場がある。その名は「文武館」。創設者で元高校教員の沢田憲孝代表(75)は40年近く指導を務め、門下生は800人に上る。現在は同市を中心に4歳から中学2年までの計48人が通う。沢田さんは「お金がなくても勉強する機会を与え、礼儀も学んでほしいと始めた」と話す。

 6月の平日、午後5時すぎ。九州道若宮インターチェンジ近くの道場に、保護者の車で送られてきた子どもたちが次々と姿を現す。道着姿で机を並べ、まず勉強を始めた。

 基本は自主学習だが、「上級生が下級生を教える」が道場の方針。学習時間は1時間半ほど。その後、机を片付け、防具を着けて空手の練習が始まる。「声が小さいぞ!」。周りで保護者たちが見守る中、大声が響く。沢田さんの教え子の3人も指導を支え、小さい子には構えや突きの出し方の基本を教える。

 京都市出身の沢田さんが空手を始めたのは佐賀大生だった18歳のとき。教員となり高校で空手部顧問を務め、30代半ばの1980年からは公民館や小学校でも指導を始めた。91年に自宅敷地の一角で空手道場を開設。鞍手農業高(現鞍手竜徳高)で定年退職した。

 道場は日曜以外の週6日開けている。月会費は4千円。「空手では礼の仕方、声の出し方、帯の結び方も教える。同時に勉強して子どもたちは学力が上がり、親は塾代もかからなくて済む。筑豊をよくしたいというだけ」と沢田さん。東日本大震災の被災地支援活動や地元宮若で清掃活動などにも力を入れてきた。高齢にもなり、後進に文武館を譲ることも考えるが、子どもたちとの関わりは続けたいという。

   ◇   ◇

■文武館所属の2人が全国大会へ

 5月に福岡市で開かれた「第37回県少年少女空手道錬成大会」(県空手道連盟主催)で、文武館の子どもたちが躍動した。直方市の上頓野小5年の溝上天音さん(11)は小5女子形、宮若市の宮田南小4年の大塚史遠君(9)は小4男子形でそれぞれ優勝。8月に東京・日本武道館で開かれる全国大会に県代表として出場する。

 溝上さんは今回で県大会4連覇。ただ、全国大会の最高成績はベスト16で、「決勝に行ってみたい。自信はあります」と意気込む。父・大三さん(42)や兄・翔大さん(16)の影響を受けて空手を始めた。突き技が得意で、目標は五輪出場だ。

 大塚君は前回、県大会で準優勝だった。スピードと切れの良さが持ち味だ。姉に連れられ訪れた文武館。5歳で空手を始め、ほぼ毎日通う。「強くなりたくて始めた。組み手が楽しい」と笑った。

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