【はてなのミカタ】教えてもらおう=人前で上手に話すこつは? アナウンサー 鮫島宗哉さん

西日本新聞 こども面

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鮫島宗哉さん

人前で自分の意見を言葉にするのはコミュニケーションの基本だ 人前で上手に話すこつは?

 人前で話すのは得意ですか? 緊張して頭が真っ白になったり、早口になったりする人もいるでしょう。人の反応が心配になる人もいるかもしれません。アナウンサーで、より良いコミュニケーションのための講座を開いている鮫島宗哉さん(72)=福岡市=に「人前で上手に話すこつ」を教えてもらいました。

【紙面PDF】はてなのミカタ 教えてもらおう=人前で上手に話すこつは?

 ●緊張 腹式呼吸で落ち着こう

 こども 全校生徒を前に話す時、緊張で頭が真っ白になります。

 鮫島 肩や胸に力が入った状態で呼吸していませんか? それでは声がうわずり、長く続きません。声は息を吐く時に出るので呼吸法が大事。息を大きく吸い、ゆっくり話すために腹式呼吸をしましょう。体も心も落ち着きます。

 全身の力を抜いてください。脚は肩幅くらいに開き、口から息を吐ききり、口を閉じます。すると自然と鼻から息が吸えます。おなかがふくらんでいたら、上手にできています。次に「あー」と声を出しながら15秒間息を吐きましょう。声がおなかから出て長く響き、早口になりにくいです。

 話す時に、手を体の前で重ねたり、髪の毛や口、鼻をさわったりすると自信なさげに見えます。目線は一番うしろの人に合わせると、みんなに向かって話していることが伝わりますよ。

 ●不安 「自分は自分」 胸張れる準備を

 こども 授業で発表したいけど、友達の反応や失敗することが不安です。

 鮫島 「自分は自分」と思うことが大事です。そのためには「私は十分にやった」と胸を張れるだけの準備と練習が必要です。

 例えばピアノの発表会の場合、何度も曲を練習して本番に臨みますよね? 同じように授業の予習復習をしっかりすることや、発表する内容を何度も声に出して読むことも大切です。

 発表したことへの質問が心配な人には、「ちょっと考える時間をください」と言って考えを整理することをおすすめします。何も言わない「間」を恐れないでください。

 正直に「良い質問をありがとうございます。今すぐはわからないので考えておきます」と言うことも悪いことではありません。聞き手にはいろんな考えの人がいるので、反対する人がいるのも当たり前です。

 ●滑舌 早口言葉を練習しよう

 こども 代表で国語の教科書を読む時、滑舌が悪いのが気になります。

 鮫島 滑舌の練習には早口言葉がいいです。「お綾や 親に お謝り」を、ゆっくり3回繰り返すことから始めましょう。「おあやや」が言いにくければ「やや やや」→「あやや あやや」→「おあやや おあやや」と前の一文字を足して口を慣らします。早口言葉はいろいろあります。言葉や口の体操を習慣にしましょう。

 正しい日本語の発声には口の形を整えることが大切です。左のイラストのように「あいうえお(母音)」の5音をはっきりと口を動かして練習してください。母音は「か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ」の行にも入っています。

 自分に合う声も見つけましょう。のどがくたびれず、相手も聞きやすい声です。ピアノの鍵盤を「ドレミ…」と低い音から順に押し、同じ音程で声を出してみてください。自分が出せる低い音から三つか四つ上の音があなたに合う声です。

 ●内容 5W1Hで話を整理

 こども 話を聞いている人に自分の考えをしっかり伝えたいです。

 鮫島 話す内容を整理しましょう。今回は「5W1H(ごダブリューいちエイチ)」を紹介します。

 5W1Hとは①When(いつ)②Where(どこで)③Who(誰(だれ)が)④What(何を)⑤Why(なぜ)⑥How(どのように)-のことです。ここに話の内容を当てはめてみてください。途中に「つまり」「なぜなら」「例えば」などの言葉を使うと説得力も増します。

 聞き手の興味を引くには話し始めも大切です。本題に入る前に、話の内容で一番大事なことをひとことにまとめてみましょう。

 ●感情 「そうですか」で遊ぼう

 こども どうしたら感情を込めて朗読ができますか。

 鮫島 「そうですか」という言葉は、たった5文字ですが、感情の込め方で多様な意味になります。「そうですか」の後に、いろんな気持ちや状況(じょうきょう)をくっつけてみてください。「そうですか(わかりました)」「そうですか?(信じられない)」「そうですか!(うれしい)」「そうですか…(残念)」などです。

 あなたが言った「そうですか」に込めた感情を、友達に当ててもらうとおもしろいですよ。遊びながら練習してみてください。

 ●聞く 笑顔で相手を受け入れて

 こども 友達がみんなの前で話す時、どんなふうに聞けばいいですか。

 鮫島 表情は笑顔が何よりです。人間は相手の悪いところを探してしまいがちです。意識して、話している人のいいところを探すのも大切です。相手を受け入れる姿勢を見せれば、話す人も安心して自信を持って話すことができます。

 宿題の音読を聞いてあげる時は「声が小さい」「早口」などと評価せず、「たくさんの人がいる時はどう話す?」「みんなにわかりやすいように話すには?」などと状況が思い浮かぶようにアドバイスしましょう。

 ●編集部から

 私は小中学生のこども記者と一緒に取材に出かけます。人前で話すのが上手な子もいれば、恥ずかしがり屋でほとんど話さない子もいます。でも、話さなかった子の作文を読むと、相手の話をじっくり聞いて考えていたことが分かります。

 自分の考えを話したり文章にしたりするのは、コミュニケーションの一つの方法です。また、絵や音楽など言葉以外で自分の気持ちを表現する方が好きな人もいます。今回は人前で上手に話すこつを紹介しましたが、それぞれが自分に合った表現方法を大切にしてください。 

 ▼さめじま・むねや 北海道放送のアナウンサーを経験後、博報堂という会社で広告や宣伝の仕事を担当。現在は企業や行政などの仕事をする人を対象に、スピーチ(発表)やファシリテーション(話し合いの支援)などの講座を開いている。

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