筑豊百山ガイド本完成 飯塚市の榎さん夫婦 16年かけ計5冊

西日本新聞 筑豊版

「筑豊百山」に関するガイド本を完成させた榎隆成さん(右)と數代さん 拡大

「筑豊百山」に関するガイド本を完成させた榎隆成さん(右)と數代さん

完成した「筑豊百山」に関するガイド本

 この山道はどこにつながっているのか‐。そんな好奇心が、筑豊の山々に関するオリジナルの山岳ガイド本の作成につながった。飯塚市の榎隆成さん(80)、數代さん(76)夫婦は、独自に選んだ「筑豊百山」を踏破し、約16年かけて田川編、嘉飯山編、直鞍編の計5冊にまとめた。2人は「筑豊の山の魅力を発信するために企画し、ようやく完成した。山が持ついろいろな顔や表情を知ってもらえればうれしい」と話している。

 ともに郵便局員だった2人は1969年に結婚。しばらくは隆成さんが1人で山に登っていたが、94年の富士山ツアーを機に、2人で登山を始めた。網膜剥離のため右目がほとんど見えない隆成さんを、數代さんがサポート。全国各地の山々を登るうちに「人の後追いではなく、独自性のある山登りをしたい」との思いが強くなり、2003年に筑豊百山への挑戦を思いついた。05年、作家の深田久弥著「日本百名山」を踏破したのを機に、本格的に筑豊百山への登山を始めた。

 従来のガイド本や観光マップで取り上げている登山コースを調べたり、国土地理院の地形図を読み込んだりしながら、独自のコースを選定。登山時は地形図と衛星利用測位システム(GPS)を頼りに、山頂を目指した。複数のコースを定めるため、数十回、登った山もあるという。

 11年、隆成さんが自宅で転倒して後頭部を強打、硬膜下血腫と診断された。手術は成功し、登山を再開したものの、ヘルメットが必需品となった。ここ数年は左目の視力が低下。それでも「本を完成させたい」と、今年3月末に、宮若市と篠栗町にまたがる畝原山(667メートル)に登り、百山を登り切った。

 本では、県を代表する英彦山(1199メートル、添田町)の登山ルートとして、表参道コースから北岳・北谷Cコースまで28コースを紹介。嘉麻市の益富山(189メートル)、宮若市の日陽山(180メートル)などの低山も取り上げ、各コースの登りと下りの歩行時間も記載しているのが特徴。人がほとんど足を踏み入れないコースもあるため、中級登山者以上を意識しているという。

 隆成さんが手書きした原稿を、數代さんがパソコンで入力し、写真や地図入りでまとめており、「2人だったからここまでできた。達成感がある。安全第一を前提に山登りを楽しんでほしい」と話した。

 本は非売品で、飯塚市などの図書館に寄贈。

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