【混戦 参院選福岡】(下)浸透 支持層外へ訴え強化

西日本新聞 ふくおか版

 「50万票の目標を掲げ、しっかりと当選圏に持っていきたい」。今月15日、福岡市博多区であった公明党新人、下野六太(55)=自民推薦=の事務所開き。選対本部長で、党県本部代表の浜地雅一が訴える視線の先には、自民党関係者がずらりと顔をそろえていた。

 改選数が2から3に増えた前回、3位当選で24年ぶりに議席を得た公明。「今回勝って参院議員が表裏そろってこそ、政策の推進力が増す」(選対幹部)。必勝を期す公明は、従来、身内で済ませていた事務所開きに、今回初めて自民の衆院議員らを招いた。

 自公連立政権が誕生した1999年以降、両党の選挙協力は深化。とはいえ、民意の風に左右されやすい小選挙区制では特に自民側が、公明の支持母体・創価学会の手堅い集票力を「あてにしてきた」(自民関係者)のが実情だ。今年の統一地方選でも公明の支援を受けた地方議員は少なくない。「次はうちが収穫する番だ。食い逃げは許さない」。公明関係者は息巻く。

 前回参院選は、自民推薦で挑んだ選挙区で約46万8千票を得たが、「党の実力」(公明関係者)の比例代表は約36万9千票止まり。「支持層以外にいかに浸透できるかが課題」と党県本部幹事長の浜崎達也。7月には官房長官菅義偉や自民党幹事長二階俊博の来援も内定し、「自公で2議席」に向けて攻勢を掛ける。

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 22日午後、福岡市・天神の街頭。共産党新人の河野祥子(38)がマイクを握るそばで、大学生らがアンケートボードを掲げた。実現してほしい政策は何ですか‐。「消費税増税をやめる」「年金を充実させる」「ジェンダー平等」…。シール投票を呼び掛けると、若者が気軽に1票を投じた。

 「自公を少数派に」と意気込む共産が狙うのは、ソフト路線への転換による支持層の拡大だ。街頭で配るチラシは文字数を減らし、政権批判一辺倒の演説は避け、前向きな政策を提案する。「反応は非常にいい」。若年層の取り込みを意識した戦略に、党関係者は表情を緩める。

 ただ、32の1人区で野党が候補者を一本化するなか、九州唯一の複数区、福岡は3野党が競合し、政権批判票を奪い合う形となる。

 目標とする「40万票」は、前回参院選で共産候補が獲得した票の2倍。「固定票だけでは難しいが、候補者が多ければ投票率向上にもつながる」と河野。党県委員長の岡野隆も「野党が互いに競い合いながら票を伸ばし、全体として過半数を占めたい」と前を向く。

 政治団体では、既に立候補表明した「幸福実現党」新人の江夏正敏(51)や、「オリーブの木」新人の浜武振一(53)に加え、他の2団体も候補擁立を予定。改選3議席を巡る攻防は激しさを増す。 =敬称略

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