来年2月に白寿となる祖母のため

西日本新聞 社会面

 来年2月に白寿となる祖母のため、親戚一同でこの秋に祝いの会を開きたいと、実家の父からメールが届いた。時期を早めるのは、本人がかなり気弱になっているから、とのことだった。

 祖母は終戦時、樺太(現ロシア・サハリン)にいた。ソ連が攻めてくるというので、当時3歳だった父の手を引き、生まれたばかりの叔父をおぶって疎開船に乗った。祖母たちを乗せた船より少し前に港をたった船は、ソ連軍潜水艦の攻撃を受けて北海道留萌沖で沈んだ。疎開船3隻の1700人以上が犠牲になった痛ましい出来事は「三船遭難事件」と呼ばれている。

 「家庭でも平和について話をしてほしい」。子どもが小学校からプリントを持ち帰ってきたので、私は祖母の話を聞かせた。どこまで理解してくれたかは分からないが、「戦争は怖い」とは感じたようだ。今度は、祖母から直接話をしてもらおうと思っている。 (富田慎志)

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