自民の内紛 結束に影 参院選長崎 県議団、議長選で根深いしこり

西日本新聞 長崎・佐世保版

 2年に及ぶ自民党県議団の分裂が、県政界における国会議員の主導権争いも相まって、夏の参院選で野党共同候補と戦う現職、古賀友一郎氏の懸案材料になっている。組織票の要となる県議団の分裂は、思わぬ落とし穴になる可能性もはらむ。

 問題の発端は2017年7月の議長選にさかのぼる。県連会長だった加藤寛治衆院議員(長崎2区)に近いグループが推す県議と、金子原二郎参院議員、谷川弥一衆院議員(同3区)を領袖(りょうしゅう)とするグループ推薦の県議との調整がつかず、対立。最終的には加藤グループが議長ポストを得たが、金子・谷川グループは「腹が収まらん」と会派を割った。

 その後の双方の行動が事態を複雑にした。先手を打ったのは加藤グループ。所属議員の数で後れを取るまいと、自民党籍のない無所属の議員を呼び入れた。「禁じ手だ」。金子・谷川グループは苦々しげだった。

 転機が訪れたのは今年4月の統一地方選。加藤グループでは政治資金収支報告書の誤りが指摘された重鎮県議らが落選した一方、金子・谷川グループは積極的な支援で議席を獲得した新人を招き入れて勢力を拡大。5月の議長選では国民民主など他党の協力も取り付け、ポストを奪った。議場では加藤グループから「何でもありじゃないか」とのやじが飛んだ。

 こうして数を増やす「戦術」は、県政界で主導権を保持したい金子、谷川両氏の意向とされる。今月9日に長崎市内のホテルであった県連定期大会では、幹事長退任のあいさつに立った加藤グループの県議が「一部国会議員の必要以上の介入が、(県議団の)一本化を遠ざける要因の一つだ」と語り、亀裂の深さを隠そうともしなかった。

 そうした中で迎える参院選。5月下旬、諫早市内であった自治体や土地改良事業団でつくる農業農村整備事業推進協議会の大会には、古賀氏のほか多くの県議が招かれた。だが、続いて行われた古賀氏を励ます会に金子・谷川グループの姿はほとんどなく、来賓コーナーには空きが目立った。

 グループのトップの意向を重んじ、仲間と連携する旧来型の政治に同調しない古賀氏はかつて周囲に、単独で行動する自身の政治手法を「社会実験」と述べたという。そんな振る舞いを、6年前に古賀氏を選挙に担いだ金子、谷川両氏を慕う一派は面白くない。結果、古賀氏と加藤グループとの距離が近くなった。

 そうした事情を当の古賀氏は知ってか知らずか、困惑気味にこう話す。「選挙となれば、一丸となっていただきたいのですが…」

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