不登校生、プロと共演 20人、コンサート盛り上げ 早良区のNPO

西日本新聞 ふくおか都市圏版

アノアとペロの演奏に合わせて踊る福永千恵美さん(右端) 拡大

アノアとペロの演奏に合わせて踊る福永千恵美さん(右端)

 プロのアーティストと一緒に舞台に立ったよ‐。福岡市早良区のフリースクールで学ぶ子どもたちが今月、男女2人組バンド「アノアとペロ」のコンサートで共演を果たした。事前の広報活動や当日の司会進行も担うなど、社会との関わりも体験。抱える悩みの種類や大きさは違うが、それぞれが少しずつ自信を取り戻した。

 企画したのは、不登校の児童・生徒のためのフリースクールを運営するNPO法人「みんなの学び館」。副理事で元教諭の福永千恵美さん(58)が昨年、大好きなアノアとペロの公演を聞いて「本物の音楽を学び館の子どもにも聞かせたい」と思い立ち、バンド側に共演を頼み込んだ。

 アノアとペロは関東を中心に活動し、西日本一帯でのツアーも実施している。2人は福永さんの熱意に打たれ、申し出を快諾した。不登校の子どもが籍を置く学校の行事に出ると、周りから「楽しいときだけ参加するのか」と批判や中傷を受けることがある。福永さんはかねて、学び館の子どもたちに学校外で文化祭のような経験をさせてあげたいとも考えていたという。

 コンサートの事前準備には、子どもたちも関わった。会場となった福岡市中央区の会館周辺の商店に、宣伝チラシを配布。絵や文字を書いた模造紙なども準備して、会場に飾り付けた。コンサートがあった17日は、約20人の子どもが担当を分けて演奏中の舞台で踊ったり、司会や照明などを手伝ったりした。

 学び館に通う子ども全員が参加したわけではなかったが、多くの人に接する中で自信が付き、再び通学し始めた児童もいた。ある女の子は「人前に出るのは苦手だったけど、やってみて気持ち良かったし勇気が出た」と笑顔を浮かべた。

 その一方で、思い通りに機材を扱えずに機嫌を損ねた子や、「退屈だった」と口にする子も。スタッフや周りの大人は無理に励ましたり叱ったりすることはせずに、それぞれの個性として受け入れた。

 福永さんは「学校じゃなくても、勉強も遊びもできる楽しい場所はたくさんある。深刻な家庭環境で過ごす子どもがいることも承知しているが、ぜひ外に出てきてほしい」と呼び掛けている。 

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