校名「合志楓の森」に 医療刑務支所跡の小中一貫校 合志市

西日本新聞 熊本版

 ハンセン病患者の受刑者専用に造られた旧熊本刑務所菊池医療刑務支所(合志市)の跡地に建設される市立小中一貫校の起工式が27日、現地であった。市教育委員会は、隣接する国立療養所「菊池恵楓園」にちなみ、校名を「合志楓(かえで)の森」とする方針。庁舎の建物は7月1日から解体が始まるが、校門前には同刑務支所の歴史を伝える碑文が設けられ、国の隔離政策の誤りが後世に刻まれる。

 新設される小中一貫校は3階建てで、延べ床総面積約1万5200平方メートル。児童生徒数は約950人。2021年4月の開校を目指している。

 校名は、市民から公募で寄せられた138案から選ばれた。市教委は「恵楓園から1文字もらうことで、覚えやすさや親しみやすさを考慮した。人権教育の拠点となってほしいという思いも込めた」としている。開会中の市議会6月定例会で正式に決まる見通し。

 27日の起工式では、荒木義行市長が「子どもたちや市民にとっても人権が最も尊ばれるまちづくりのシンボルにしていきたい」とあいさつ。恵楓園入所者自治会の太田明副会長(75)は「これまでの歴史的事実を伝承しながら、学校建設を機会に、さらに地域との連携を強めていきたい」と語った。

 旧菊池医療刑務支所は1953年、全国の国立ハンセン病療養所から受刑者を集めるために開設。86年に現在の建物に改築されたが、96年のらい予防法廃止を受けて翌97年に閉鎖。受刑者延べ117人を収容してきた。患者とされた男性が無実を訴えながら死刑になった「菊池事件」の出張裁判(特別法廷)が開かれた場所でもある。

 庁舎の建物を巡っては、国の隔離政策の歴史を伝える遺構として保存を求める声があったが、合志市が学校用地として取得。恵楓園入所者自治会と国が昨年7月末、建物内の独居房などを園内に移設、展示し、ハンセン病の啓発に活用することで合意した。

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