【備えは】ため池の決壊、被害防げ 水位調整呼び掛け 北九州市

西日本新聞 北九州版

 昨年7月の西日本豪雨で、ため池の決壊により広島県福山市の3歳女児が亡くなった。北九州・京築地区では決壊の被害はなかったが、若松区にある農業用ため池の堤の一部が崩れる被害が出た。ため池を維持・管理する北九州市西部農政事務所によると、ため池は市有地にありすぐに応急処置ができたが、私有地で被害が出た場合、対応に時間を要することもあるという。梅雨期に入り市西部農政事務所は、管理する農事組合などに水位を低く保つなど備えを呼び掛けている。

 若松区頓田の丘陵地。農業用ため池「内平東(うちびらひがし)池」は昨年7月6日の豪雨で、堤の一部が崩れた。北九州市はその日のうちに委託業者に連絡。崩れた箇所にシートを掛け、土のうを置く応急処置を施した。

 市西部農政事務所の朝倉浩二主査(48)によると、池は近隣の水田に使用するために使われてきた。被災後、地元農家の要望を受け、農業用ため池としての機能を廃止。現在は一部を埋め立て、排水用の栓を開け放し、雨水調整池として機能している。

 農林水産省によると、西日本豪雨では2府4県のため池32カ所が決壊。同省は、全国約8万8千カ所のため池の緊急点検を自治体に指示した。福岡県内では約4千カ所を調べ、北九州市では433カ所のうち17カ所、京築地区では627カ所のうち11カ所で、補強、補修などの応急処置が必要と判断された。

 県農山漁村振興課によると、県内の約半数のため池が私有地にある。応急処置時にも所有者の許可を得る必要があり、時間を要することがあるという。市西部農政事務所によると、北九州市では農業用ため池を廃止する際、地元のため池利用者全員の承諾を得るのが慣例。若松区のように速やかに対応できるケースは多くないという。

 市西部農政事務所は豪雨に備えて、ため池の水位を下げるよう呼び掛けている。朝倉主査は「水田の面積から、農業に必要最低限の水量は割り出せる。不安はあるだろうが協力をお願いしたい」と話している。

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