JOC山下新会長「五輪成功へ心一つに」 金メダル30個へ決意

西日本新聞 社会面

 日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕新会長が27日、都内で開かれた記者会見で「56年ぶりの自国開催となる五輪・パラリンピック。心を一つにして大会を成功に導いていく」と決意を述べた。不祥事が相次いだスポーツ界の再建、JOCが掲げる金メダル30個獲得に向けた選手強化の旗振り役として“世界のヤマシタ”が先頭に立つ。

 東京五輪を約1年後に控えた中での会長交代。山下氏は同じ九州出身の同学年で実質ナンバー2の福井烈新専務理事とともに壇上に立った。「責任の重さを強く痛感している」。退任した前会長の竹田恒和氏は2020年東京五輪招致疑惑でフランス司法当局の捜査対象となり、一方でスポーツ界を巡る不祥事も多発。「JOCならびに各加盟団体のガバナンス(組織統治)やコンプライアンス(法令順守)、インテグリティー(誠実さ)の強化に取り組む」と所信表明した。

 全日本柔道連盟(全柔連)会長との兼任に「全柔連は(13年に発覚した暴力指導問題を契機に取り組んでいる)改革の道半ば。その歩みを止められない。全柔連の会長を辞めるならこの話(JOC会長)をお断りするつもりだった」と明言。強化費の配分についての影響も否定し「兼務することで批判されるなら甘んじて受ける」と言い切った。

 五輪金メダリストとしての輝かしい実績を誇りながら悲運もあった。1980年のモスクワ五輪は当時ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議した米国主導の下、日本など西側諸国が不参加を決めた。山下氏も畳に上がることがかなわなかった。「日本のスポーツ界に力がなかった、と感じた。五輪で勝つことだけじゃない。政治との信頼関係をつくっていくことが大事。モスクワが幻に終わり、同じような思いを次の世代のアスリートにさせてはいけない」。最強の柔道家であり、誰よりも人の痛みを知る。「選手ファースト」の信念がにじんだ。

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