宙に浮くホテル建設 みやま市、7200万円で一部用地取得

西日本新聞 筑後版

立地協定締結時に示されたホテルのイメージ図 拡大

立地協定締結時に示されたホテルのイメージ図

雑草が生い茂るみやま市のホテル建設予定地

 北九州市の総合不動産・コンサルタント業「芝浦グループホールディングス」(芝浦HD)が、みやま市に大型ホテルを建設する立地協定を市と結んで約3年。同社の意向に沿う形で市が約7200万円をかけてホテル用地の一部を取得したにもかかわらず、いまだに着工のめどすら立っていない。30日に告示されるみやま市議選でも大きな争点になりそうだ。

 「厳しい話ばかり。進展はまったくなかった」

 26日、前日に芝浦HD側と面談した市幹部は嘆く。ホテルの建設予定地は、炭酸泉として名高い長田鉱泉場やタマホームスタジアム筑後(筑後市)に程近いみやま市瀬高町長田の市有地約6千平方メートル。今は雑草が生い茂り、一部がコミュニティーバスの停留所として使われている。ホテルは建設費約20億円で、今春にもオープンする予定だった。

 市と芝浦HDは2016年7月、ホテル進出について立地協定を結んだ。市は1億5千万円を上限に建設費の2割を補助し、上下水道使用料の5年間の半額免除、事業開始の翌年度から5年間の固定資産税免除などの好条件を示した。

 立地協定締結式の場で、芝浦HDは9階建ての宿泊棟(定員70~120人)と温浴施設が入る建物の計2棟の建設を発表。「全力を挙げて協力する」と誘致に積極的だった当時の西原親市長(故人)の強い意向もあり、市は芝浦HDの求めに応じて昨年2月までに、ホテル用地として貸し出すため、計画地に隣接する民有地約2100平方メートルを約7200万円で購入した。

 市内に大きな宿泊施設のないみやま市は、ホテルを滞在型観光の目玉としたい思惑があった。市議会も一般会計から用地購入費の支出を認めた経緯がある。

 しかし昨年9月、西原市長が体調不良を理由に辞任すると、潮目が変わった。市幹部は「もともとこの話は、西原前市長と芝浦HD会長の個人的なつながりで生まれた」と漏らす。

 芝浦HDの担当者は西日本新聞の取材に「みやま市とは今後も調整、協議を続ける」と答えたが、市幹部に対しては「採算面に不安がある」「従業員確保が難しい」と話したという。

 立地協定に法的拘束力はなく、建設しなくても市が芝浦HDに損害賠償を求める規定もない。市幹部は「昨今の経済状況や立地を考慮しても、すぐに別のパートナーを探せるわけではない。粘り強く(芝浦HD側に)お願いするしかない」としている。

福岡県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ