【動画あり】こんなところに沖ノ島(3)同じ形の山 筑豊で出合う

西日本新聞 ふくおか版

 「ほら、あれが筑豊の沖ノ島ですよ」。宮若市の田園地帯で、福本満寿男さん(60)=鞍手町=が緑にあふれる山を指さした。なるほど、ツンツンと峰が立った形が、見慣れた島影に似ている。何より、水をたたえた田んぼの中に立つ姿が、玄界灘にそびえる孤島をほうふつさせる。

【動画】こんなところに沖ノ島

 宮若市と直方市、鞍手町にまたがる六ケ岳(むつがたけ)(338メートル)。その名の通り、六つの峰(旭岳、天冠、羽衣、高祖、崎戸、出穂)が寄り集まった山で、登りやすく眺望もいいとトレッキング愛好者に人気だ。

 似ているのは形だけではない。沖ノ島の世界遺産群を守る田心(たごり)姫、湍津(たぎつ)姫、市杵島(いちきしま)姫の宗像三女神が降臨した伝説が残る山でもある。「海の神の印象が強い三女神ですが、最初は六ケ岳に降りたそうです」と福本さん。英彦山などにも残る伝説。姫神はその後、海に向かったと伝わる。

 六ケ岳の山麓にある鞍手町の六嶽(むつがたけ)神社の拝殿には降臨伝説を描いた水墨画が残っている。作品には六ケ岳と思われる山々の上空に、大勢の従者を連れて降り立つ3人の女神が描かれる。

 沖ノ島との関連はまだ続く。拝殿から延びる参道の先に沖ノ島の方角を示すアプリを向けると、ぴったりと島の方を向いていた。海岸から20キロ以上内陸の山に囲まれたこの地で、神社を建てた人々はどうやって沖ノ島の方角を知り得たのだろうか。

 6峰の一つ、崎戸峰には六嶽神社の上宮がある。毎年6月、氏子たちがここに登り、木立を刈り込んで清掃をする。神事の後は持参した弁当をみんなで食べる直会(なおらい)を開く。年配者は「ああ、今年も来られてよかった」とつぶやくそうだ。これもまた、沖ノ島への遥拝の名残かもしれない。

 沖ノ島の世界遺産登録を機に、宗像三女神の足取りを探して六ケ岳まで来る観光客もちらほら見るようになったと福本さん。「もっと沖ノ島に似ているアングルを見つける人が出てこないかな」と期待している。

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ