ふるさと納税、事業者「町に頼れない」 新制度除外のみやき町 販路先行き不安

西日本新聞 佐賀版

18日にみやき町で開かれた事業者説明会で、ふるさと納税新制度除外の経緯やネット通販サービスの概要を説明する末安伸之町長 拡大

18日にみやき町で開かれた事業者説明会で、ふるさと納税新制度除外の経緯やネット通販サービスの概要を説明する末安伸之町長

 過剰だった自治体競争を抑止しようと、返礼品を地場産に制限した新たなふるさと納税制度が今月から始まったが、全国で適用が除外された4自治体の一つ、みやき町では、既に本年度分の商品の売買契約を結んだり、従業員を増やしたりした返礼品の納入業者の不安が高まっている。町は来年10月の制度復帰を目指す意向で、その間は独自のインターネット通販サイトを開設し事業者の販路を確保する考えだ。ただ、ふるさと納税のように税控除が受けられる特典のない中で注文が入るかは見通せない。

 「国や町の方針で生活が振り回されるのは困る」。同町東尾の「大塚米穀店」の大塚乾祐(けんすけ)さん(42)は憤る。

 大塚さんは2015年に町内で生産されたコメ「さがびより」と「夢しずく」を町の返礼品に登録。「コメはリピーターが多く、1日平均100件の注文が入ることもあった」。店の売り上げの3割ほどを占め、2年前からはスタッフを3人増員した。

 その直後の突然の除外。店は農家との間で本年度分の契約を結んでおり「責任を持って買い取るが、どこに売ればいいのか」。店の先行きを心配してなのか、スタッフ1人は自主的に退職した。大塚さんは「町の政策に頼るばかりでは駄目だ」として、近く独自のネット通販を始めるという。

 返礼品の配送事業などを展開し、売り上げの9割近くを町のふるさと納税関係が占める同町西島の商社「plan」(プラン)も危機感を強める。

 同社は町への寄付が増え始めたのをきっかけに16年に設立。業績は好調で町内外で10人を雇用し、地域貢献への思いも強い大石秀一社長だが、「町の制度復帰を待つしかないが、このままだと会社は成り立たない」と頭を抱える。

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 町は15年度からふるさと納税に力を入れた。16年度の約14億円に対し、18年度は12倍の168億円に。町の年間予算を上回る「臨時収入」を基に、小中学校の給食費や18歳までの医療費の無償化を実現させた。

 ただ、急拡大の裏ではネット通販大手「アマゾン」のギフト券などを返礼品とするなど、返礼品は寄付額の3割以下で、地場産品とする総務省が示したルールを逸脱。町の返礼品納入業者約80社のうち、ルールに合致したのは約30社のみで、どの社も事業計画の大幅な見直しを迫られた。

 町は18~19日、事業者の説明会を開催。末安伸之町長は新制度からの除外について、本来の制度の趣旨をゆがめて過度な競争に参加し、多額の寄付金を集めたのが要因と認め、「事業者にご迷惑をおかけして申し訳ない」と陳謝した。

 町は対策として、事業者が自由に商品を販売できる独自の通販サイトの開設を打ち出した。末安町長は「このピンチをチャンスに変えるために、事業者には協力をお願いしたい」と話している。

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