運営委18年の活動を本に 筑後川まるごと博物館 流域の自然や歴史紹介

西日本新聞 筑後版

刊行した書籍を手にする「筑後川まるごと博物館運営委員会」の駄田井さん(左)と鍋田さん 拡大

刊行した書籍を手にする「筑後川まるごと博物館運営委員会」の駄田井さん(左)と鍋田さん

 九州一の大河、筑後川の流域を屋根のない博物館「エコミュージアム」に見立て、一帯の自然や文化、歴史を学ぶ講座や学習会を開いている市民団体「筑後川まるごと博物館運営委員会」(久留米市)が今春、18年間の活動をまとめた書籍を刊行した。川が交通・物流を担った近代史や水害史のほか、有明海との関わりなど流域の特徴と魅力も紹介している。

 書籍のタイトルは「筑後川まるごと博物館‐歩いて知る、自然・歴史・文化の143キロメートル」(新評論、256ページ)。執筆は初代館長(現・顧問)で、久留米大名誉教授の駄田井(だたい)正さん(75)や事務局長の鍋田康成さん(69)ら運営委メンバーが主に担当した。

 同博物館の活動は、流域の活性化と河川環境改善を目的に、学識者と流域の市民団体が中心となって2001年6月に開始。久留米大と連携し、同年9月から学生と市民が一緒に学ぶ場として、公開講座を開講した。

 17年の九州豪雨で被災した東峰村や、大分県日田市のダムなど流域各地を訪ねる学習会も、毎年開いている。講座や学習会の参加や面談を経て案内役となる「学芸員」も認定し、人材育成に取り組んできた。

 11年からは筑後川の自然環境を教材に子どもたちが自由に研究する「子ども学芸員養成講座」もスタート。鍋田さんは「川が子どもたちの遊びや学びの場になっており、成長にもつながる」と話す。

 書籍にはこうした活動のほか、毎年梅雨の時季に開く筑後川大水害(1953年)の体験者発表会で得た貴重な証言も収録。後段では、筑後川流域を上流、中流、下流に分けて、熊本県阿蘇地方の水源や、江戸期に造られた農業土木遺産の山田堰(ぜき)(朝倉市)など幅広いテーマを取り上げる。

 駄田井さんは「本を手に歩けば、筑後川流域がただ広いだけでなく、中身が詰まっていることを実感できるはず。河川に関わる人や団体にとって今後の活動のヒントになればうれしい」と話した。

 A5判で税込み2592円。新評論=03(3202)7391。

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