トランプ氏、駐留負担増要求か 首相の同盟強化主張逆手

西日本新聞 総合面

 トランプ米大統領の日米安全保障条約の見直し要求には、中国の軍事力増強への懸念を踏まえ、日米同盟の一層の強化を訴える安倍晋三首相の主張を逆手に、体制強化に絡む日本の大幅な負担増を迫ろうとするもくろみが垣間見える。

 トランプ氏が日本に展開する米軍の駐留経費について「日本の負担が不十分」との持論を掲げ、安保条約は「不公平」と不満を抱いていたのは周知の事実だ。

 一方、安倍首相は歴代首相の中でも日米同盟強化に積極的で、集団的自衛権の限定的行使を認めた安全保障関連法の制定や、米国製の最新鋭戦闘機の大量購入を決めるなど、米国に対する安保面での貢献が際立つ。ワシントンの日本大使館幹部は「トランプ政権に意義は伝わっている。日米同盟の強固さは史上最高だ」と言ってはばからない。

 しかし、ある米政府関係者は、事あるごとに同盟強化を訴える首相の姿勢に乗じて「『同盟が大事ならもっと日本は貢献すべきだ』との考え方がトランプ政権の中にある」と明かす。

 トランプ氏は、日本による防衛装備品のさらなる購入に期待感を隠さないが、今後、大きな焦点となるのが在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の増額だ。

 折しも、2021年度以降の思いやり予算を巡る交渉が来年本格化する。日本側は「十分に支払っている」との立場だが、米国は既に韓国に対し大幅な負担増を要求。日本にも米兵の給与など、これまでの負担対象ではない費用も要求する可能性すら指摘される。

 米政府内には「現状の4倍程度の増加でないと割に合わない」との声もあるといい、別の日米外交筋は「日本は相当な覚悟を迫られるだろう」と予測する。 (ワシントン田中伸幸)

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