「反保護主義」入らず G20大阪宣言採択し閉幕

西日本新聞 一面

 大阪市で開かれていた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は29日、2日間の討議を終えて閉幕した。採択した「大阪首脳宣言」では、米中の名指しを避けながらも、貿易を巡る緊張が世界経済の下振れリスクだと指摘し「さらなる行動を取る用意がある」と表明した。「自由で公正、無差別な貿易・投資環境を実現し、市場を開放的に保つよう努力する」と明記したものの、自国第一主義を掲げる米国への配慮から「反保護主義」の文言は2年連続で見送った。

 最大の焦点だった経済分野では、世界貿易機関(WTO)改革の必要性で一致。各国が財政、金融などの政策を総動員することも確認した。貿易や投資に関する文章には、貿易赤字の相手国に報復関税を課す米国と、閉鎖的で不公正な慣行が続く中国の双方にくぎを刺す意図がにじんだ。

 温暖化対策では、米国が国際的枠組み「パリ協定」からの離脱方針を改めて表明し、他の19カ国・地域は「不可逆で完全実施の約束を再確認する」として具体的な行動の重要性を確認した。環境分野では「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」と題し、プラスチックごみの新たな海洋汚染を2050年までにゼロにする目標で合意した。

 途上国のインフラ建設に絡む投融資では、借り手の国の債務返済を持続可能にするとした新原則を決定。鉄道や港湾整備を進める途上国に巨額の資金を貸し込む中国へのけん制が念頭にあるが、中国も含む各国首脳が正式承認した。G20以外の国も含めた共通認識とすることを目指す。

 今回のG20サミットでは、貿易や環境分野で米国などとの足並みがそろわず、多国間協調の限界を露呈。議長を務めた安倍晋三首相は閉幕後の記者会見で「意見対立でなく共通点に光を当てた。G20は力強い成長をけん引する決意で一致した」と述べ、「自由貿易の基本的原則を明確に確認できた」と強調した。

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