「ダメ出し」は元々、演劇用語で、演出家が演技や脚本などの悪い点を指摘すること…

西日本新聞 オピニオン面

 「ダメ出し」は元々、演劇用語で、演出家が演技や脚本などの悪い点を指摘すること。近頃は他人の行動や仕事を批判したり、改善を促したりする意味で使われるように

▼適切な指摘は必要だが、ダメ出しばかりだと、人は落ち込んだり、意欲をなくしたりして状況はもっと悪くなりがち

▼ダメ出しの対極にあるのが「ポジ出し」。ポジはポジティブ(積極的、肯定的)の略。評論家の荻上チキさんが著書「僕らはいつまで『ダメ出し社会』を続けるのか 絶望から抜け出す『ポジ出し』の思想」(幻冬舎新書)で唱えた

▼無益な個人たたきや、意見・提言へのバッシング合戦をやめにして、建設的な改善策を示そう。その積み重ねが社会を良くする-。社会や組織だけでなく、家庭にも当てはまる

▼児童福祉法などが改正された。狙いは虐待の防止。親による子への体罰禁止が明記された。「しつけ」と称して体罰を加え、命まで奪う痛ましい事件が後を絶たないからだ。度が過ぎたダメ出しも虐待と言える。ダメ出しを重ねた揚げ句、しつけが体罰、暴力へと変じていくのではないか

▼わが子が思い通りにならない、と親が自分にダメを出し、育児に絶望するケースもあろう。ダメにばかり目を奪われず、できる限り「いいとこ探し」をして子や自分自身にポジを出そう。難しければ、ポジ出しをしてくれる誰かを頼ろう。幼い命を守るためにも前を向きたい。

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