九州南部で大雨、121万人避難勧告 前線停滞の見通し

西日本新聞 夕刊

 停滞する梅雨前線の影響で、九州南部を中心に1日も激しい雨が降り続き、鹿児島県いちき串木野市は2859世帯6051人に避難指示を出した。熊本、宮崎、鹿児島の3県によると同日午前の時点で避難勧告は計約56万世帯、121万人に上っている。

 気象庁は鹿児島県の一部について「命に危険を及ぼす土砂災害が発生していてもおかしくない極めて危険な状態」とし、土砂災害や浸水、河川の氾濫に警戒するよう呼び掛けた。

 同庁によると、鹿児島県や宮崎県には発達した雨雲が次々にかかり、各地で24時間雨量が300ミリを超えた。鹿児島県薩摩川内市では1日午前、7月の観測史上最大となる1時間雨量69・0ミリを観測、宮崎県えびの市も66・0ミリに達した。

 鹿児島県は14市町の広い範囲で、宮崎県は5市町で土砂災害警戒情報を出した。宮崎県の広渡川と大淀川には氾濫警戒情報が出されており、今後さらに水位が上昇する見込みという。

 梅雨前線は今後も数日間にわたって九州付近に停滞する見通しで、4日にかけて広い範囲で大雨が予想されている。

 福岡県内の雨は1日朝、前線の南下でいったん小康状態となった。同庁によると、前線は今後再び北上。2日昼すぎから福岡県の南に活発な雨雲がかかり、夜の初め頃から雷を伴う激しい雨が降る恐れがある。

土砂崩れ、高齢者救出

 九州南部を中心に激しく降り続く雨の影響で、各地で1日早朝から土砂崩れや浸水被害が発生した。

 鹿児島市本城町では1日午前7時20分ごろ、崩れた崖の土砂が民家に流れ込み、人が埋まっていると通報があった。消防が土砂の中から70代女性を救出。意識はあるという。

 同市伊敷町の国道3号では同日午前4時5分ごろ、道路脇ののり面が高さ8メートルの地点から長さ13メートルにわたって崩れ、約3・8キロの区間が全面通行止めに。国道10号も土砂崩れの恐れのため鹿児島県姶良市の一部で一時通行止めになった。

 宮崎県都城市や消防によると1日朝、「用水路から水があふれ、床下浸水している」と消防に通報があった。道路の冠水で家から出られなくなった同市鷹尾1丁目付近の高齢者を含む10世帯16人が消防のボートで救出された。市内では4台の車が水没したが、いずれもけが人はないという。

 都城、日南、小林、えびのの4市では小中学校24校が臨時休校となった。

 西日本高速道路(NEXCO西日本)によると、大雨の影響で九州道の鹿児島北インターチェンジ(IC)-えびのICのほか、宮崎道や南九州道の一部区間が午前中から通行止めに。解除の見通しは立っていないという。

 西日本鉄道によると、高速バスは福岡-鹿児島、延岡、宮崎間が終日運休。JR九州によると、九州新幹線は始発から熊本-鹿児島中央間で運転を見合わせていたが、午前9時前に運転を再開。最大約120分の遅れが出た。在来線では鹿児島本線の川内-鹿児島間など、一部区間で運転見合わせが続いている。

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