頻尿の人は「レスカ」を飲もう【しもじもの話】

西日本新聞 くらし面

 友人に誘われて喫茶店に行き始めたのは大学浪人中の19歳のころ。木のカウンターに座り、マスターが入れてくれるコーヒーをおいしそうに飲む友人の隣で、「苦みと酸味が大人の味やね」と知ったかぶりをしていました。

 コーヒーの成分であるカフェインには、脳や交感神経を興奮させて眠気や疲労感を取り除く働きのほかに、尿の排出を促す利尿作用があります。そのため頻尿の原因になることがあります。

 ある泌尿器科医によると、毎朝同じ食事を取った後、1日1種類ずつ、違う飲み物を同じ量だけ飲む実験をしたところ、排尿回数はコーヒー、オレンジジュース、緑茶、ウーロン茶、水の順。案の定、コーヒーを飲んだときが一番回数が多くなりました。

 実はコーヒーに含まれるカフェインやカリウムには、利尿作用以外に膀胱(ぼうこう)を過敏にする働きがあります。膀胱内に尿意を感じない量しかたまっていないのに、コーヒーを飲むと「おしっこがしたい」と感じます。実験結果は、カフェインやカリウムを多く含む飲み物ほど尿回数も増えています。カフェインを含まないオレンジジュースは、カリウムを多く含むために頻尿の原因になっているのです。

 カフェインの多い飲み物をよく飲む人で、尿が近いと困っていれば、飲む量を減らしてください。暑い季節、冷たいオレンジジュースは気持ちをリフレッシュしてくれますが、果物に多く含まれるカリウムとエアコンの冷気で頻尿になる恐れも。ご用心ください。

 浪人中に通った喫茶店ですが、当時はコーヒーを飲むと落ち着きがなくなり、目だけがさえて眠れなくなっていました。そこで友人がいないときは、レスカ(レモンスカッシュ)やカルコーク(カルピスのコーラ割り)を注文し、上にのせてあるサクランボの柄を口の中で結ぶ練習をしていたのです。勉強がはかどったかは怪しいものですが…。

 どちらも頻尿になりにくい飲み物です。トイレが心配なときはお試しください。おまけに舌を動かすと唾液の分泌を促しますよ。

 (泌尿器科医・池田稔)

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