【知ってる?参議院】ねじれ国会 「良識の府」が「政局の府」に

西日本新聞 総合面

 参院はかつて、敬意を込めて「良識の府」「再考の府」と呼ばれた。4年の任期中に解散で身分を失うこともある衆院議員に対し、参院議員は任期6年が保障される。二院制の役割として、政治の全体状況を俯瞰(ふかん)して衆院の行き過ぎを抑え、慎重な審議に務めることが求められているからだ。

 しかし、衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」となれば、参院は与野党対立の激しい「政局の府」と化す。1989年、98年、2007年、10年参院選では、当時の野党が躍進し、ねじれ状態を生んだ。

 安倍晋三首相が「片時たりとも忘れたことがない」と常々口にするのは、第1次安倍内閣で臨んだ07年参院選。自民党は大敗、内閣退陣の引き金となった。第1党は民主党となり、国会はねじれた。

 このねじれに直面したのが後任の福田康夫首相だ。衆院を通過した法案が参院で否決された場合、衆院で出席議員の3分の2以上の多数で再可決する制度はあるが、審議は著しく滞る。

 「強すぎる参院」。政局の色合いが濃くなり、こう言われることも。国会同意人事が不同意となり、戦後初めて日銀総裁が空席となる事態になった。当時、福田氏は党首討論で「かわいそうなくらい苦労している」と自ら嘆いた。

 衆院で可決した法案が参院で否決されるなどで衆院に戻されたのは、約30年の平成時代で111件。このうち08、09年が48件と集中している。

 12年衆院選で自民党が政権奪還した後は「自民1強」状態が続く。参院では、衆院での審議時間の7、8割を目安に審議し、それを超えれば半ば機械的に採決される。参院の独自性は薄れ「衆院のカーボンコピー」ともやゆされるゆえんだ。

 首相は、夏の参院選の勝敗ラインについて「自民、公明の与党で過半数」とした。それが非改選も含めた全体定数245の過半数(123議席)を指すなら、ねじれを生じさせない議席を意味する。与党の非改選は70議席。改選78議席のうち53議席取ればよく、25議席減らしてもねじれは生じないことになる。

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