80歳以上26%が運転 17%「今後も続ける」 内閣府調査

西日本新聞 社会面

 80歳以上の高齢者の26・4%が外出時には自分で車を運転していることが、内閣府の調査で分かった。このうち、週に2回以上運転している人が90・2%に上る。年齢や身体的な状況にかかわらず17・4%は今後も運転を続けると回答した。高齢者が日常生活の足として車を利用する実態が浮き彫りとなった。

 調査は昨年11~12月、全国の60歳以上の男女3千人に行い、1870人が回答した。

 外出手段は「自分で運転する車」(56・6%)が最多で、「徒歩」(56・4%)が続いた。年齢別にみると、自分で運転する割合は、60~64歳78・8%▽65~69歳68・6%▽70~74歳63・3%▽75~79歳45・7%。男性の方が車を使う傾向にあり、80歳以上は男性49・0%、女性8・7%だった。

 60歳以上の自分で運転する頻度は、公共交通機関が乏しい地方ほど高い。「ほとんど毎日」と答えたのは、東京23区や政令指定都市は50・0%、人口10万人未満は72・9%、町村は75・5%となった。

 今後も運転するかどうかは、一定の年齢になったり、視力低下など運転に支障を感じたりしたら「やめようと思う」と答えたのは80・2%だった。

 一方、年齢や身体の支障にかかわらず「続けようと思う」は11・5%。その理由は「日常生活に不可欠」(73・0%)が最も多く、「車の操作は慣れている」(42・6%)、「運転が好き」(28・7%)の順だった。

 調査結果は高齢社会白書にまとめられ、政府は6月に閣議決定した。内閣府は「高齢になるほど認知機能の低下などで車の運転は難しくなるが、特に地方では車が日常生活に不可欠。外出手段の確保が重要な課題だ」としている。

車への愛着にも配慮を

 車文化に詳しい武庫川女子大の高田公理名誉教授(社会学)の話 高齢者が車を手放せない最大の理由は利便性にあるが、愛着という側面もある。「マイカー」という言葉が登場したのは1956年。80歳以上の人は大衆車が普及し始めたころに青春期や働き盛りを生きた。その後、社会が豊かになり、高級車に買い替えていった人も少なくない。事故を減らす方策を考える上で、運転する楽しさを実感し、車がよりどころだった世代の内面に配慮する必要がある。ドライバーは、いつか運転を“卒業”する時期が訪れると自覚し、健康状態を考えて折り合いをつけてほしい。

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