鎮守府の遺産、街挙げ生かせ 佐世保で開庁130年記念式典

西日本新聞 長崎・佐世保版

 旧日本海軍の佐世保鎮守府開庁から130年を迎えた1日、佐世保市は平瀬町の市民文化ホールで記念式典を開いた。「日本遺産を活用した地域活性化」をテーマにパネル討論もあり、有識者が鎮守府の遺産を活用したまちづくりについて意見を交わした。パネリストは東洋大大学院客員教授の丁野朗氏、京都府舞鶴市建設部長の矢谷明也氏、佐世保観光コンベンション協会理事長の飯田満治氏。コーディネーターは長崎大名誉教授の岡林隆敏氏が務めた。

 矢谷氏と丁野氏は、佐世保と同様に海軍鎮守府関連の日本遺産に認定された舞鶴市、広島県呉市の取り組みを紹介した。

 矢谷氏は、鎮守府が残した赤れんが倉庫を博物館やジャズのイベントに活用していると説明。「赤れんがは市民にとって当たり前のものだった。まちの良さをどうやって再発見するか。次世代に遺産を継ぐのは市民で、市民を巻き込んだまちづくりが大切」と強調した。

 呉市観光アドバイザーの丁野氏は、平清盛が開削したとされる「音戸の瀬戸」を例に「呉は中世から鎮守の役割を果たした。いろいろな地域に足を運んでもらえるように、地域の物語を組み立てるべきだ。大和ミュージアムだけを見て帰る観光客が多いのはもったいない」と指摘した。

 佐世保市の2018年の観光客数は過去最多の600万人超だったが、鎮守府関連遺産を訪れた割合は2・6%。飯田氏は「歴史にスポットを当てた観光に伸びしろがあると捉えている」と話した。他の登壇者からは「人を集めるのは食。ビーフシチューをもっと売り出しては」「土産物があれば思い出に残る」などのアイデアが上がった。土木史が専門の岡林氏は「外から見てすごい物を市民が理解し、観光に生かさなければならない」とまとめた。

 記念式典には朝長則男市長や議員、市民ら約300人が出席。海上自衛隊佐世保音楽隊の吹奏楽演奏がオープニングを飾った。

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