「海の紅葉」にピンチ 原因不明の立ち枯れ続く 佐賀市東与賀町

西日本新聞 佐賀版

 佐賀市東与賀町の有明海沿岸に群生し、秋に赤く染まる姿から「海の紅葉」と呼ばれるシチメンソウの生育が思わしくない。佐賀の晩秋を彩る風物詩だが、昨秋も立ち枯れが目立ち紅葉が見られなかった。このピンチに市や地域住民は再び美しい姿を楽しめるようにと種まきや移植などに取り組んでいる。

 シチメンソウはアカザ科の塩生植物で一年草。高さ20~30センチほどに成長し、夏の緑色から秋には真っ赤に色づくのが特徴だ。東与賀町の東与賀海岸の群生地「シチメンソウヤード」では紅葉が美しい10月下旬~11月初旬ごろに毎年ライトアップもあり、多くの観光客が訪れている。

 しかし昨年10月には立ち枯れが広がり、紅葉が見られなかった。例年は自然に種が落ちたり、地域住民らが12~1月に種を回収してまいたりして発芽するが、立ち枯れのため自然発芽が難しいとみて、市や地域住民が12月と今年2月にヤード内で種をまいた。

 ところが、芽はわずかしか出ず、雨が少ないため枯れ草が残る寂しい光景。シチメンソウの世話をする地元住民団体「シチメンソウを育てる会」の平方幸子事務局長は「こんなに全面的に立ち枯れたり、育たなかったりするのは初めて」と驚きを隠せない。

 こうした厳しい状況を受け、6月28日には育てる会や地元のまちづくり協議会の会員などボランティアと市職員計約40人が、生育の良いシチメンソウをヤード内に移植する作業に取り組んだ。参加者はスコップで泥を掘り、10センチほどに育った草を埋め込んでいった。近く再び移植作業を行う予定。市は今後の生育や潮の状況を観察し、記録していくという。

 2016年の猛暑の際にも一部で立ち枯れが発生したシチメンソウ。昨年から続く広範囲での不調の理由は不明だ。「猛暑や少雨の影響か、土壌の問題なのか分からない」と市東与賀支所の富吉千昌支所長。原因究明に向け、市は本年度に入り、佐賀大に研究を委託し、来年3月末までに結果を受け取る予定という。

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