1強自民 内部対立の種 参院選九州7選挙区 分裂の懸念締め付けも

西日本新聞 総合面

 「夏の政治決戦」となる参院選の公示が4日に迫った。九州7選挙区では、自民が全選挙区に現職を擁立。候補が乱立する福岡(改選数3)で圧勝を狙い、六つの1人区で野党が一本化した候補を迎え撃つ構えだが、「1強」ゆえに内部対立を招き不安材料を抱えた選挙区も少なくない。

 1日夕、福岡県築上町。福岡選挙区で4選を期す自民現職松山政司氏(60)の国政報告会で、地元選出の武田良太衆院議員は訴えた。「1強というのが一番用心せないかんのです」

 4月の知事選で、自民県連は所属国会議員らが対立し、分裂選挙を展開。以降、感情的なしこりは残ったままだ。福岡での1議席は、自民にとっては「指定席」。野党もまとまりを欠くため「危機感は薄く、内部対立を許してしまう」(県連関係者)状況にある。

 選対本部長の原口剣生県連会長は「県内の衆院全11小選挙区で勝つトップ当選」を掲げるが、得票目標は未定。県連執行部と距離を置く衆院議員は自身の選挙で見返りが期待できる公明新人(自民推薦)の支援の優先をにおわせており、選対幹部は「国会議員が挙党態勢になっていない」と眉をひそめる。

 長崎選挙区では2017年7月の県議会議長選を契機に会派が割れた自民県議団の対立が、再選を目指す古賀友一郎氏(51)の悩みの種だ。6月の県連大会では「挙党態勢」が宣言されたが、古賀氏が各県議と並び立つポスターの完成は一部、公示直前にずれ込んだ。対する国民民主新人は4野党の共同候補。「不協和音が大きくなると一気に崩されかねない」。古賀氏陣営の県議は懸念をにじませる。

 鹿児島選挙区のベテラン自民現職尾辻秀久氏(78)は先月、鹿児島市であった党県連会合で頭を下げた。「私の不徳の致すところ」。元自民県議で無所属新人の前田終止氏(71)が対抗馬として名乗りを上げ、保守王国に分裂の芽が顔を出したためだ。

 「支持団体は割れておらず、保守分裂ではない」。県連会長の森山裕国対委員長は強調する。だが、高齢の尾辻氏の党公認を巡っては一部県議らが反発した経緯もあり、森山氏はその言葉とは裏腹に、前田氏の事務所開きへの出席者に電話でくぎを刺すなど、引き締めに躍起だ。

 前田氏陣営は「顔は向こうに向いても、票はこちらにもらえればいい」と党関係者への支援要請は控えつつ、「締め付けがきつくなれば反発する土地柄だ」と批判票に期待を寄せる。

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