崩壊、氾濫…リスク把握を 九州大雨 識者、早めの避難推奨

西日本新聞 社会面

 梅雨の長雨で九州全域が災害の危険にさらされている。識者は、土石流や流木被害を起こす「表層崩壊」や「深層崩壊」、河川の氾濫などの大規模災害が「いつ、どこで起きてもおかしくない」と指摘。身近な災害リスクの把握と、早めの避難で自分や家族の命を守る行動を取る必要がある。

 九州南部を中心に、総雨量は多い所で既に300~800ミリに達し、100~200ミリを超えた地域も多い。気象庁は3日からの雨で総雨量がさらに増えると予想。鹿児島大の地頭薗隆教授(砂防学)は「2017年の九州豪雨で発生した表層崩壊が起こり始める」と危機感を強める。

 厚さ1~2メートルの表層が崩れ落ちると、立ち木や岩石も河川に流れ込む。土石流を起こし、河道をふさいで氾濫の原因ともなる。総雨量が200ミリを超え、さらに強い雨が数時間続けば表層崩壊が同時多発することもあり得るという。

 雨量次第では、さらに大規模な「深層崩壊」の恐れもある。発生すれば河川をせき止めるほどの土砂が流出し、甚大な被害を招く。九州南部のシラス台地では総雨量400ミリ程度、九州中央部の九州山地では同800ミリ程度で発生の危険があるという。

 雨量の増加は別のリスクも高める。九州大大学院の三谷泰浩教授(地盤工学)は「山が水分を吸収できなくなると、降った雨がそのまま河川に流れ込み、短時間の雨でも河川の水位が急激に上がる」と説明する。

 小松利光九州大名誉教授(防災工学)は「山間部なら土砂崩れや流木、土石流、河川の近くなら水害。住む地域によって災害リスクは異なる」と強調。早めの避難が基本だが「逃げ遅れた場合、家の周囲の少し高台、少し安全な場所を事前に確認しておくだけで生死を分けることもある」と指摘する。

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