【知ってる?参議院】選挙区「合区」 自民「特定枠」で現職救済

西日本新聞 総合面

 参院の選挙制度は戦後、地域代表の「地方区」と、職域代表の性格を持つ「全国区」で始まった。全国区は1982年に廃止され、比例代表制に移行。地方区は「選挙区」に改称した。

 選挙区は都道府県が単位。だが、2016年の前回参院選で初めて、県域をまたぐ選挙区が誕生した。「鳥取・島根」と「徳島・高知」だ。人口が少ない4県が、隣り合った選挙区同士で「合区」された。

 人口減少で1票の格差が広がれば合区も増える。次の対象と言われるのが「佐賀・長崎」。長崎より人口が少ない佐賀選出の福岡資麿・自民党参院議員は「佐賀、長崎両県は新幹線整備など対立する課題を抱える。合区では人口の少ない方の声が国政に届きにくくなる」と懸念する。

 自民党は憲法改正による合区解消を主張するが実現は困難とみて、1票の格差是正の名目で、定数を6増する改正公選法を野党の反対を押し切り、昨年7月に成立させた。参院の定数増は、沖縄選挙区を新設し、2増した1970年以来だ。

 6増で、現在の総定数242(選挙区146、比例代表96)は248(同148、比例100)になる。埼玉選挙区が2増(3年ごとに1増)、比例代表が4増(同2増)。今回選挙後の総定数は3増え、245(選挙区147、比例98)。3年後の参院選であと3増される。

 今回改選されるのは、現在の総定数の半数121と3増分の124議席。選挙区74、比例代表50だ。

 比例では今回から、優先的に当選となる「特定枠」が新設された。特定枠は政党が事前に定めた順位で当選者が決まるが、この制度を活用するのは自民党だけの見通し。合区で選挙区から漏れた現職の救済策とされ、自民党による「党利党略」「我田引水」と批判を浴びている。それぞれの合区で漏れた議員ら2人をあてがい、救済する考えだ。

 定数増に有権者の視線を意識したのか、自民、公明、国民民主3党などの賛成多数で6月、参院議員の歳費の一部を自主返納できる法案を成立させた。

 =おわり

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