暮らし託す1票探る 尽きぬ不安…「解決策を」 参院選公示

西日本新聞 夕刊

候補者(左)と握手する有権者たち=4日午前11時すぎ、福岡市・天神(写真の一部を加工しています) 拡大

候補者(左)と握手する有権者たち=4日午前11時すぎ、福岡市・天神(写真の一部を加工しています)

 参院選が4日公示され、発足から6年半を迎えた安倍政権に評価が下る選挙戦が幕を開けた。「老後資金2千万円問題」で年金不安が再燃し、消費税増税が10月に迫る中での政治決戦。家計も企業も「痛み」が増すとあって、老後や子育て、就職、経営の先行きなど有権者の不安は尽きない。暮らしの安心を、将来の希望を誰に託すのか-。

 改選数3に9人が立候補した福岡選挙区。JR博多駅前では候補者が続々とマイクを握り、舌戦がビル街に響き渡った。候補者の演説に足を止めた福岡市早良区の藤田美智子さん(53)の一番の関心は老後の暮らし。「高齢化がますます進む中で国がどこまで支えられるのか、具体策を示してほしい」と求めた。

 飯塚市の自営業小池正博さん(67)も老後資金問題に「急にこんな試算が出てくるのはおかしい。10年、20年前から予測できていたはず」と憤る。自身が暮らす公営団地では切り詰めた生活をしている高齢者が多いと感じており、「弱者に寄り添った論戦を」と注文した。

 「北九州の台所」と呼ばれる北九州市小倉北区の旦過(たんが)市場。鶏肉店を営む黒瀬善裕さん(56)は、消費税増税後の景気の冷え込みが気掛かりだ。前回増税時は「しばらくの間、売り上げが5~10%減った」。今回は食品には軽減税率が適用されるものの、「増税前までに自動車などの駆け込み購入が終われば、消費者は食品も含めて買い控えるのではないか」と表情を曇らせた。

 久留米市三潴町の小学教諭、宮本愛さん(40)が注視するのは教育や子育て施策。7歳の長男と11カ月の長女の育児に奮闘中で、来年には育児休業からの職場復帰を控える。消費税増税の財源は、保育・幼児教育無償化にも充てられるが、「保育士不足で保育所への入所を断られることもある。働く女性を支えるためにも保育士の待遇改善を進めてほしい」と訴えた。

 「問題の先送りで割を食うのは若い世代だ」。福岡市東区の大学2年、浦郷周平さん(20)は、老後資金問題で一票を投じようとの思いを強くした。「選挙戦での有利不利を考えず、年金制度の将来がどうなるのかなど有権者に不利益が懸念されることについても率直に語って」と望む。

 憲法改正の議論の行方も焦点の一つ。ただ、福岡市南区の小西達夫さん(68)は議論の物足りなさを感じ、どことなく不安も感じるという。「憲法は国の在り方を左右する。知らない間に話が進みましたでは困る。与党も野党も真っ正面から向き合ってほしい」と話した。

福岡県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ