課題の論戦 有権者期待 改憲、諫干、離島振興…

西日本新聞 長崎・佐世保版

 「政権選択」の衆院選に対し、「政権の中間評価」ともいわれる参院選が始まった。安倍政権が目指す憲法9条への自衛隊明記は重要な争点の一つだ。一方で、地域や暮らしに目を向ければ、子育て支援や離島振興など課題も山積する。県内の有権者は候補者たちに何を期待し、それぞれの1票を託すのか‐。 

 公示日の4日朝、長崎市内の出陣式で憲法改正に触れる候補者はいなかった。有権者にどこまで踏み込んでいいのか、距離感を量っているようにも思えた。

 市内の爆心地公園を訪れていた佐世保市の元高校教諭の男性(74)は、時代の変化に合わせた改憲の必要性を感じつつ、戦争放棄をうたう9条は「今のまま、守ってほしい」と願う。長崎市の浜町アーケードで買い物をしていた自営業女性(47)も不安定な国際情勢に危機感を募らせるが、「改憲せずに平和への道筋をつける候補者がいてほしい」と話した。

 国営諫早湾干拓事業(諫早市)に関し、最高裁は潮受け堤防排水門を「非開門」とする判断を示した。だが高級二枚貝タイラギの不漁など有明海の漁場は回復せず、漁業者は反発を強める。干拓農地の一部の営農者からも「開門」を求める声が上がり、混迷はさらに深まっている。

 開門、非開門両派による対話を重視し、賛同を求める署名活動を続ける「話し合いの場を求める会」事務局長の横林和徳さん(73)=諫早市=は「国の主張を丸のみしたような最高裁の判断では解決には至らないだろう」と指摘。「政治は対立をあおるのではなく対話を促し、共通理解を深める努力をしてほしい」と望み、参院選でそんな議論が始まることを期待する。

 人口減は地域の活力を奪う。とりわけ数多くの有人離島を抱える長崎県は深刻だ。対馬市で、夫の菓子店を手伝う60代女性は「元気な高齢者を生かした地域づくりが必要。超高齢化社会の到来に向け、路線バスの数を増やすなど交通の利便性を高めてほしい」と商品の箱詰めをしながらつぶやいた。

 安倍晋三首相が掲げる「1億総活躍社会」実現のためには、子育て支援が欠かせない。佐世保市の公園で娘を遊ばせていた20代の男性は「10月からの幼児教育・保育の無償化は助かる」と歓迎。待機児童の問題にも触れ、「うちは娘を保育園に入れられたが、入れられない友人もいる。政治家が動かなければ、受け皿は増えない」と語った。

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