被災地渡る支援のバトン 九州豪雨2年 850人超なお仮住まい

西日本新聞 社会面

 福岡、大分両県で40人が犠牲となり、2人が行方不明となっている九州豪雨は5日、発生から2年を迎える。災害関連死1人を含め死者36人に上る福岡県朝倉市と東峰村では、自治体主催の追悼式を実施。3人が死亡した大分県日田市でも市役所で職員が黙とうし、犠牲者の冥福を祈る。

 両県では今も計約850人以上が仮設住宅などで「仮住まい」を継続中。6月末現在、福岡県では101世帯206人が仮設住宅に入居。自治体が民間賃貸物件を借り上げる「みなし仮設」では213世帯537人が生活し、日田市では14世帯34人がみなし仮設で暮らす。公営住宅などには両県で計38世帯80人が入居している。

 仮設住宅は今月から順次、入居期限2年を迎えるため、朝倉市など一部の被災者が福岡県に入居期限の延長を求めている。両県では今月中に被災者向けの公営住宅が完成する予定。

■西日本豪雨の地、愛媛でも活動

 支援の輪を別の被災地にも‐。2年前の九州豪雨で甚大な被害が出た福岡、大分両県の被災地では、被災者の生活再建などを支援しようと地域内外の住民らで結成した民間団体の活躍が注目を集めた。その一部は昨夏の西日本豪雨の被災地、愛媛県にも入り、今も支援活動を継続中。関係者に共通するのは、同じ豪雨被害を受けた地域として「自分たちの経験を生かし少しでも力に」との思いだ。

 西日本豪雨で家屋倒壊などが相次いだ愛媛県宇和島市。発生1年が近づく6月中旬。福岡県朝倉市のボランティア団体「杷木ベース」が市民約30人を引率し、梅雨に備え土のう作りに汗を流した。自宅が被災した人も参加し、食事会では宇和島の被災者と体験を共有、励まし合う姿もあった。

 杷木ベースは九州豪雨後に朝倉市民らで発足。被災家屋や農地の泥だしなどに従事した。西日本豪雨の際は広島や愛媛に水、マスクなどを届けた。「朝倉も全国からボランティアが集まりさまざまな支援を受けた。今度は自分たちが助ける番だと思った」と望月文代表(40)。今後も愛媛の被災農家からミカンを購入し、福岡で販売するなどの支援を続けるという。

 大分県日田市の「ひちくボランティアセンター」(5月に解散)も宇和島で活動を続けてきた団体の一つ。災害直後から宇和島入りし住民の困り事を聞き取って行政に伝え、初動で混乱しがちな現地のボランティアセンターの運営を下支えした。宇和島の関係者を日田に招いたことも。活動を引き継いだNPO法人「リエラ」(日田市)の松永鎌矢代表(29)は「被災地間をつなぐことで日田の被災者にとっても前に進む力になっている」と話す。

 朝倉市で発足し、今は福岡市を拠点とするNPO法人「YNF」も福岡、愛媛両県で被災者支援に取り組む。朝倉では高齢者や困窮世帯を訪ね、公的支援制度について助言したり、申請を手伝ったりする一方、愛媛県大洲市では行政と協力し住まいに関する相談会を定期的に開いている。江崎太郎代表(39)は「被災者の生活再建を中長期的にサポートするような民間団体は少ない。両地域で困っている被災者を支えたい」と意気込む。

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