4月から大企業を皮切りに始まった残業規制「働き方改革」…

西日本新聞 オピニオン面

 4月から大企業を皮切りに始まった残業規制「働き方改革」。その一環でNHK朝の連続ドラマも、週6日の放送が来春から週5日に短縮される方向という。土曜の朝の楽しみが減るのは残念だが、俳優や作り手の負担減につながるのなら歓迎したい

▼その朝ドラのヒロインも務めた吉高由里子さんが好演した民放ドラマ「わたし、定時で帰ります。」が終了した。原作は朱野帰子(あけのかえるこ)さんの小説。楽しく読めるエンターテインメントだが、人が働く意味まで鋭く問い掛ける

▼主人公の結衣(ゆい)はIT系企業で働く32歳。会社人間だった父を反面教師に、きっちり仕事をこなした上で定時退社を死守する。そこに「辞めます」が口癖の新人やサービス残業を強要する上司が現れ、職場は一変。結衣は「会社のために自分があるんじゃない」と訴え、皆が幸福になれる道を模索する

▼原作には戦時中の日本軍の「インパール作戦」も出てくる。食糧や武器の補給計画を欠く無謀な命令の下、兵士にビルマ・インド国境を行軍させ3万人以上が死亡。屍(しかばね)が重なる退却路は「白骨街道」と呼ばれた

▼<真に恐ろしいのは敵にあらず。無能な上司なり>。朱野さんの指摘は今の会社にも当てはまりそうだ

▼仕事を終え、大事な人とおいしいものを食べ、ゆっくり休む。そんな生活を皆が送れるようにしたい-。結衣のまっとうな願いを実現させる「働き方改革」であらねばならない。

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