参院選福岡選挙区候補者の横顔

西日本新聞 ふくおか版

候補者と握手する有権者 拡大

候補者と握手する有権者

春田久美子氏 河野祥子氏 浜武振一氏 公明新人の下野六太氏 本藤昭子氏 野田国義氏 江夏正敏氏 松山政司氏

 届け出順(自=自民、公=公明、立=立民、国=国民、共=共産、諸=諸派)

■立法に挑む「解決ママ」 春田久美子氏(52)国新

 愛称は「解決ママさん」。2児を育てながら、25年間、裁判官、弁護士として係争を解決してきた。ただ、支援に関わった熊本地震や東日本大震災では、自治体の線引きで減免制度に格差が生じるなどの不条理を痛感。「今の法律だけでは限界がある。現場のリアルを立法の場につなぎたい」と立候補を決めた。

 金融機関を経て27歳で司法試験に合格。2006年に裁判官から弁護士に転身した。注力したのが学校への出前授業を通じた「法教育」。「いじめや虐待で子どもが壊れている時代。生き抜く力を育む教育が必要」と思いを込める。長男を妊娠中に前夫を亡くし、ひとり親の苦悩、子どものふびんを知ったことも「弱者に寄り添う」政治を目指す原点だ。

 音楽鑑賞が趣味で、松田聖子からEXILEまで守備範囲は広い。小6の長女とのピアノ連弾や、料理人だった夫の手料理が癒やしだ。モットーは笑顔。裁判官時代、厳かな法廷でにこやかに振る舞った。「立場が違う人にも笑顔で耳を傾ける」。姿勢は変わらない。

■地方の現状市議で実感 河野祥子氏(39)共新

 「将来の不安は政治の力で解決できる」。2015年から3年間務めた直方市議で実感した。市民が寄せる相談の多くは、国民健康保険料や税金が払えないというもの。背景にあるのは「格差」が深刻な地方の現状だった。「国の制度を変えないと」。市議になる前にも挑戦した国政選挙への2回目の立候補を決めた。

 川崎町出身。大阪の司法書士事務所に勤める傍ら、母親の影響もあって保育士の資格を取得した。地元に戻り、直方市で生協の相談員をしていたが、ひたむきな姿勢が評価され周囲の勧めで政治家を志した。

 選挙戦でマイクを握るのは3度目だが、実は人前で話すのが苦手。自身の性格を問われ「苦手なことでも頑張る。夏休みの宿題は7月中に終わらせるタイプ」と笑う。趣味は寺巡りで、お気に入りは「雰囲気がいい」大分の富貴寺だという。

 暑さ対策に選んだのは腕カバー。「帽子だと顔が見えないだろうから…」。有権者一人一人とアイコンタクトを交わす意気込みで、街を駆け抜ける。

■個人が自立した社会に 浜武振一氏(53)諸新

 対米自立の理念に共感し、政治団体「オリーブの木」から出馬を決めた。「個人が輝かずして国家なし。一人一人が自立した社会にしたい」。その礎となる教育や福祉の拡充、個人経営者の減税制度を掲げる。

 1999年から筑紫野市議に3回当選。衆院選福岡2区補選や同市長選の出馬経験もある。公民館などで数学専門の学習塾を主宰する傍ら、授業の動画を配信するユーチューバーの顔も持つ。動画約650本の総再生回数は100万回に上り、教育系動画では有数の規模という。

 公示後は「どぶ板選挙」に徹する。17日間かけて有志と約8900カ所の掲示板にポスターを貼り、有権者に直接支持を呼び掛けて回る計画だ。組織の支援はそう多くはないが「しがらみのなさが強みにもなる」。

 趣味はレコード収集。約3千枚を所持していたが、2人で暮らす妻にいつの間にか相当数を処分されてしまった。「結婚は地獄です」と笑いつつ「妻は自分の選挙のように応援してくれるはず」と固い絆ものぞかせる。

■現場経験から教育改革 下野六太氏(55)公新

 「国は人がつくる、人は教育がつくる」との信念で、30年間、教育現場に立ってきた。その舞台を今度は政治に移す。

 保健体育を教えてきた元中学教諭。水泳の授業で泳げない生徒の苦痛に触れ、まずは自身が一番苦手だったクロールを克服した。運動の特性をつかんで指導すると、やがて「教えた全員が千メートル泳げるようになった」。授業だけでは足りない生徒には夏休みも付き合った。「1人も置き去りにしない」がモットーだ。

 いじめ、引きこもり、不登校…。社会問題の背景に「自尊感情の低さ」を感じてきた。「子どもたちに達成感を味わわせる仕組みをつくり、誰もが輝く社会にしたい」。現場経験を基に、教育改革を志す。

 昨年7月の出馬表明以降、休まず走り回るが「忙中閑あり」。バラやハーブを育て、画像共有アプリで公開する。自宅で教え子に手料理を振る舞うこともあり「レモンバームを使ったチョコミントアイスは本当にうまい」と自信をのぞかせた。妻と1男2女の5人家族。

■安楽死を選べるように 本藤昭子氏(77)諸新

 調理師として働いていた約10年前、乳がんを発症した。「がんになったら仕方ない」と覚悟したが、幸い手術は成功した。今も年1度のペースで検査を受け続けている。再発の不安が頭をよぎる中、「延命治療で苦しむのはいや。自分の意思で死のタイミングを選ぶことはできないのか」と感じるようになった。国内では安楽死を選択できない現状を変えるために政治団体「安楽死制度を考える会」からの立候補を決意した。

 長女明美さんの夫が政治団体代表という縁もあり、2009年の衆院選から立候補を続けている。衆参通じて5回目の出馬で、参院福岡選挙区では初めて。挑戦を続ける理由を「安楽死のことを一人でも多くの人に考えてもらいたいから」という。

 熊本県菊池市在住。自身の性格は「我慢強い」。5、6年前からはグラウンドゴルフが趣味。病後の体でも気軽に楽しめると友人に誘われて始めたが、今や全国大会に出場するほどの腕前。「ホールインワンするとスカッとするところがお気に入り」という。

■八女市長の経験が原点 野田国義氏(61)立現

 弱冠34歳で八女市長に就き、当時の全国最年少市長として「八女のクリントン」と脚光を浴びたのは四半世紀前。市長に4回当選後、衆院議員1期を務めたが落選、浪人も経験した。還暦を過ぎ、政界の苦楽にじむベテランの域に入った。

 自民党が旧民主党から政権を奪還した翌年の2013年参院選に出馬。街頭で民主候補を名乗ると、ビラを破られ、ヤジを飛ばされた。逆風をはねのけ返り咲いた国政だが「自民1強」は加速。「隠蔽(いんぺい)体質」と批判する安倍政権に対し、情報公開に尽力した市長時代を引き合いに「オープンでフェアでクリーンな政治を取り戻す」と刷新を訴える。

 妻は県議。趣味を問われ「仕事かな」と口ごもる。寸暇を惜しみ、各地でつじ立ちを重ねた。座右の銘は「失意泰然・得意泰然」。39歳で胃がんを患ってから「死を意識し、落ち着いて物事を判断するようになった」。田中角栄元首相を尊敬する。「人への目配りと気配りとぬくもりがあった」。地方に根差した「庶民宰相」に政治家の原点を見る。

■国民と必要な議論する 江夏正敏氏(51)諸新

 政治団体「幸福実現党」の政調会長として政策立案に携わる。老後資金を巡る金融審議会報告書をなかったことにした政府の対応を「国民から考えるすべを奪うのか」と批判。「最大の社会福祉は職があること。国民と必要な議論をしよう」。語り口は明瞭だ。

 母方の祖父は農林省(当時)の官僚で、豪雨で決壊寸前の土手に食糧事務所の米袋を並べ、土のうにしたという武勇伝の持ち主。「尊敬した。自分の信念に準じる生き方をしたいと思った」と原点を振り返る。

 北九州市八幡西区出身。幼少期はプラモデルに熱中し、中学、高校とバスケットボールに明け暮れた。その後、大阪大工学部へ進学。1日1冊の読書に没頭する中、党の支持母体である宗教法人の本に出合った。4年生で中退し、政経塾の塾長も経験した。

 妻と1男2女の5人家族。好きなものとしてマラソンに加え、人気アイドルグループ「嵐」を挙げる。「娘の影響。でも歌うのは難しいよね」。白い歯を見せた。

■「誠心誠意」を心掛けて 松山政司氏(60)自現

 「党幹部や閣僚として仕事ができ、有意義な6年間だった」。外務副大臣で始まった3期目。その後、議院運営委員長や党国会対策委員長など国会運営に3年間携わった。信条である「誠心誠意」を心掛けて野党と話し合い、徹夜国会も経験した。

 2017年には1億総活躍担当相として初入閣。全国の高速道路のサービスエリアや道の駅にベビーコーナーを設置するよう国土交通省に働き掛け、少子化対策に力を入れた。

 政治を志したきっかけは、会頭も務めた日本青年会議所での災害支援や国際協力活動の経験。県議を7期務めた父の姿も大きく影響した。

 サウナと歌が好き。国会議員のバンド「Gi!nz(ギインズ)」の一員で、ギターを弾く。メンバー4人中3人が同時に入閣するなど多忙になっても、骨髄バンク支援のライブは毎年欠かさない。

 最大の癒やしは「神様のプレゼント」という昨年誕生した3人の孫。4期目を目指し「中小・小規模事業者の支援や経済政策をしっかり進めたい」と力を込める。

 ◇政治団体「NHKから国民を守る党」新人の川口尚宏(かわぐちなおひろ)氏(50)は横顔取材に応じていません。

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