独立記念日異例の演説 トランプ氏、軍重視を演出 「作戦勝ち」の声も

西日本新聞 国際面

 トランプ米大統領は独立記念日の4日、ワシントンで演説した。例年は政治色を排して建国を祝うイベントが開かれており、大統領が演説するのは異例だ。トランプ氏は会場に戦車を展示し、演説中に上空を戦闘機が飛行する演出も見せて軍重視の姿勢を強調した。会場では「軍を私物化している」と批判が上がる一方、大統領選再選へ向け支持を期待する軍関係者の姿が目立ち「トランプ氏のしたたかな集客作戦が奏功した」との声も上がった。

 トランプ氏はワシントン中心部のリンカーン記念堂から隣接の緑地帯に集まった聴衆へ向け「米国への敬意」と題して演説。事前に野党民主党などから「公費を使った選挙活動」と批判を受けたためか、政治的対立をあおる発言は避け、大半を軍の功績への称賛に充てた。トランプ氏が戦闘機や輸送機を紹介すると、実際にそれらが飛行。参加者は大歓声を上げ「USA、USA」の合唱も起きた。

 この日、ワシントンでは独立記念日恒例のパレードやコンサート、花火など政治色のない催しも開かれ、演説はその合間に行われた。

 今年はトランプ氏の演説への反発から人出が減るとの見方もあった。だが報道によるとトランプ陣営は共和党支持者に特等席のチケットを配布するなどして動員。さらに2017年にフランスで軍事パレードに出席して以降、トランプ氏はワシントンで軍事パレードを行うことに強い意欲を示しており、演説に類似の演出を加えることで集客を図ったとみられる。

 その結果、「軍重視の姿勢に賛同する」(西部オレゴン州の退役軍人)と支持者が遠方からも多数参加。雨にもかかわらず会場に空きは目立たなかった。また軍を称賛するトランプ氏の演説を妨害すると軍批判と受け止められかねず、抗議活動も限定的だった。

 ワシントン近郊から家族で夜の花火を見に来た男性(46)は「演説は聞きたくなかったが、戦闘機を飛ばせて楽しませる方法は賢かった」と話していた。 (ワシントン田中伸幸)

PR

国際 アクセスランキング

PR

注目のテーマ