監視、拘束続く圧政 ウルムチ暴動10年 中国メディアは発展誇示

西日本新聞 国際面

 【北京・川原田健雄】2009年に中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市で起きた少数民族ウイグル族の大規模暴動から5日で10年を迎えた。中国メディアは習近平指導部の治安対策の成果を強調し、自治区の経済発展をアピールするが、抑圧的な統治手法にウイグル族は不満を募らせている。

 当時、激しい衝突があったウルムチ中心部の国際大バザールは観光地として整備が進む。国営通信新華社は「6月以降、延べ170万人が訪問した」と観光振興をアピールした。

 共産党機関紙、人民日報系の環球時報は5日の社説で「新疆は近年断固とした統治により情勢は奇跡的に変化した」と指摘。中国政府も自治区で2年以上テロ事件が発生していないと治安の改善を誇示する。

 これに対し、ウイグル族の男性は「街中に設置された監視カメラの映像を基に、当局が顔認識技術で個人の行動を追跡監視している」と指摘する。男性の親族は当局に拘束され、自治区内に複数建設された「職業技能教育訓練センター」に収容されたままだ。過激思想を取り除くための施設で、100万人以上が事実上強制収容され、拷問による死者も指摘される。

 国際社会からの人権侵害批判に中国政府は「内政干渉」と反発するが、徐々に変化の兆しも見られるという。かつて施設入所者とは連絡を取れなかったが「今は中国語で話すなら月に数回、ビデオ通話できるようになった」と男性は明かす。「ただ、ウイグルの文化や独自性を消し去ろうとする政府の方針は変わっていない。世界中の国が中国に圧力をかけ続けてほしい」と訴えた。

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