「表層崩壊」前兆の音に注意 北九州市の崖崩れ 石と石こすれ合う 木の根がちぎれる

西日本新聞 総合面

 昨年7月の西日本豪雨で、北九州市では407件の崖崩れが発生した。土砂災害のメカニズムに詳しい西日本工業大の玉田文吾名誉教授によると、調査した約40カ所のうち6~7割は雨水を含んで重たくなった表土が崩れる「表層崩壊」とみられる。前兆を察知できる場合もあり「災害の仕組みを知ることが避難行動を後押しする」と強調する。

 岩盤の上にある表土は、雨水で重さが増し、下方に引っ張られる力により、岩盤から徐々に引きはがされる。はがれた部分が一定の量と重さに達すると、表層崩壊が発生する。

 玉田氏は昨年7月、市内の崖崩れ現場約40カ所を調査。2人が犠牲になった門司区奥田のケースも表層崩壊とみている。表層崩壊では、石と石がこすれ合う音や木の根がちぎれる音がするなどの前兆がある。「複数人が聞いていたら、危険が迫っているということ。近所での情報交換、集団行動も重要だ」と指摘する。

 市が、土砂災害警戒区域と特別警戒区域で暮らす約3千世帯に行ったアンケートでは、昨年7月の豪雨時に自主避難した世帯は11%にとどまった。避難率の向上は大きな課題だ。玉田氏は「避難につなげるには災害のメカニズムや、住んでいる地域がなぜ危ないのかをしっかり知ることが大切だ」と訴える。

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