【ひと】国産バナナの可能性を探る 内田匡彦(うちだ まさひこ)さん

西日本新聞 総合面

内田匡彦さん 拡大

内田匡彦さん

 宮崎県川南町で栽培した国産バナナを5月、香港の百貨店に出品した。1本約1200円という高価格。それでも、日本産という珍しさが客の関心を呼び、3日ほどで100本を完売した。無農薬栽培の安全性や希少価値を国内外にアピールするため、「香港に出したという実績が欲しかった」。販路開拓に奔走し、新商品の開発にも精を出す日々だ。

 福岡市生まれ。立命館アジア太平洋大(APU、大分県別府市)卒業後、東京の不動産会社勤務を経て2008年に古里に戻り、父親の下水道整備会社を手伝い始めた。13年には「ほかの軸も必要」と考え、太陽光発電などの新規部門を発足させた。バナナの栽培は父親のアイデア。18年に祖母が住む川南町で「ネクストファーム」社を立ち上げ、社長に。約1億円を投じて千本の苗を購入、約5千平方メートルの土地にハウスを整備した。

 冬にはハウス内の暖房も必要で生産コストは高く、スーパーや青果店に並ぶ外国産と競っても採算は取れない。バナナを使ったレトルトカレーも売り出したが、主力商品はやはりバナナそのもの。付加価値を生み出すため、現在、「皮シリーズ」の企画を進める。農薬を使っていない「皮まで食べられる」という、うたい文句の実現を目指す。

 地元の宮崎大に皮の成分分析を依頼。食物繊維が豊富に含まれていることを確認し、バナナを丸ごと使ったスムージーも開発した。今月にも専門店を東京にオープンする計画だ。「国産バナナの可能性をとことん追求していきたい」。36歳。妻と娘の3人暮らし。

宮崎県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ