かんぽ二重払い、本紙報道後に憤りの”告発”が続々 現職郵便局員ら「現場は限界」 (2ページ目)

西日本新聞 坂本 信博 福間 慎一

かんぽ生命保険の関係者から、多くの「告発」が寄せられた 拡大

かんぽ生命保険の関係者から、多くの「告発」が寄せられた

 匿名を条件に、不適切営業の「手口」を赤裸々に明かす声も数多く寄せられている。

 現役社員とみられる人物は、無料通信アプリLINEを通じて、こう書いた。「事前にゆうちょ銀行の預金残高を調べた上で、高齢者宅を訪問する。70歳以上だと契約に子どもの同席が必要になるので、次のように説明する。『貯蓄残高が多いと高齢者施設に入所できないので、貯蓄を減らした方がいい。その貯蓄をかんぽ生命保険や投資信託に移せば、資産隠しができて施設に入れる』」。そして「こんなことはやりたくないが、毎日のようにノルマに追われて、退職者も増え、一人一人の社員の負担がとんでもないことになっている」とSOSを取材班に送った。

 別の元社員によると、「貯蓄や満額保険金など数百万円単位のお金を、相続対策や節税と称して保険契約に結びつける話法がある」という。「高い実績を挙げている社員の多くが、この話法に手を染めている。どんな手を使おうとも営業成績がいい社員が評価されるという仕組みがおかしいと思い、退職した」

 保険営業を長く担当していたという元社員は「営業成績は上位だった」と自身を振り返った上で、問題の根本には「契約を取った客のサポートを社員にさせない会社の体質がある。『以前の客ではなく、新しい客から契約を取ってこい』と指示され、以前の客に会うと反省文を書かされた」と明かす。上司にばれないように休日になじみの顧客を訪問していたという。元社員は「郵便局そしてかんぽ生命は、お客さまあっての仕事。お客さまを最優先することの大切さを分かってほしい」と訴えた。

 本紙が昨年の夏以降、繰り返し報じている年賀状や暑中・残暑見舞い用はがき「かもめ~る」の「自腹営業」問題でも、日本郵政の長門正貢社長は販売ノルマの廃止を表明している。ただ、同社関係者は「廃止されたのは、あくまで個人ノルマで、班単位のノルマは依然として存在している。達成できないと同僚に迷惑を掛けるので、個人ノルマより厄介だ。班、課、局…。ノルマは幾重にもある。そもそも年賀状やかもめ~るに競争企業はないのに、なぜノルマがあるのか」と憤った。

 取材班に寄せられた声からみえてきたのは、郵便局の仕事に誇りを持ちつつ、郵便局を信頼してくれる客を大事に思って現状を憂う社員も多いということ。郵便局で保険営業をしているという現役職員は、こうつづった。

 「真実を明らかにし、うみを出し切ることこそが、未来の郵便局の信頼回復に繋がる」

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