林真理子は日本の経済を救う!上を目指す女性たちの輝くロールモデル

西日本新聞

 美容室で雑誌をパラパラとめくっているときでも、林真理子のエッセイだけは目を止めて読んでしまうという人も多いだろう。現在、名前だけで読ませることができる、数少ない書き手の一人ではないだろうか。

 特に女性誌「anan」の連載「美女入門」は、開始から20年が過ぎ、既に1000回を超えたというから驚く。それ以前の「南青山物語」も加えると、とてつもなく長い間、多くの読者に愛されてきたことがわかる。もはや「anan」の最後のページには無くてはならない存在だ。

 本書はその「美女入門」をまとめたシリーズの最新作、17巻目である。

 相変わらずハヤシさんが美食、旅行、美容にダイエット・・・と、女性が大好きなことを、しかもお金がかなりかかるレベルで繰り広げている。華麗な人脈を駆使して、芸能人や著名人を交え会食三昧。予約の取れない店や極上のワインを楽しみ、パーティーでハイブランドのドレスを着る。砂かぶりで相撲を見て、ものすごく高い痩身マッサージにも行く。それなのにハヤシさんは、それらをごく普通の日常として、さらりとこなしていくのだ。

 著者は今や、褒章受章をはじめ文学賞の選考委員や大河ドラマの原作、新元号の有識者委員など、社会的地位も相当なもの。よって豪華な生活には説得力があるし、容姿に対する自虐も全くイタくならない。むしろずっと続いている体型への嘆きは、独特の挿絵とともに、キャラとして読者に親近感を持たせるために一役買っているようだ。

 恐らく著者は、女性の人生におけるキラキラした部分への憧れを、自身の成長のための大きな原動力としてきたのだろう。

 本書にも「自分で頑張って、自分の場所をつくる」や、「自分の金で自分の食べたいものを食べる」などちらりと書かれているように、著者は若い頃からかなりの野心を持って仕事にまい進し、望みをかなえた。そして輝くステージを手に入れた今、これでもかと自分のキラキラを人に見せつけるのだ。

 なぜならば本書は、美女になるための方法が書かれたHOW TO本ではなく、自分の輝きを徹底して見せることで美女へと導いていく、究極の自己啓発書なのだから。

 大人の女性たちよ、枯れている場合ではない。そしていくら若くてきれいでも、男に媚(こ)びてばかりじゃつまらない。できれば林真理子のように、自分で稼いで、自分でバンバン使おうではないか。

 

出版社:マガジンハウス
書名:女の偏差値
著者名:林真理子
定価(税込):1,296円
税別価格:1,200円
リンク先:https://magazineworld.jp/books/paper/3048/

 西日本新聞 読書案内編集部

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