自炊をしたい・させたい全ての人に! 本当に使える貴重な料理入門書

西日本新聞

 今やスマホやタブレットの検索エンジンに、材料を入力するだけでズラーッとレシピが出てくる時代。料理することへのハードルは格段に低くなっているようだ。それなのに、なかなか自炊ができない環境の若者もいる。仕事が忙しく、疲れてとてもそんな余裕はない。けれど健康のためにも節約のためにも、手間がかからない簡単な料理からなら始めてみたいと思っている人はきっと多いはず。そういう人にこそ、まずは本書を片手に料理にトライしてみてほしいと思う。

 ネット上のレシピや簡単な作り方動画でさえも、基本のき、が理解できていないと最初は戸惑うことも多いだろう。調味料についてのアドバイスや、きちんと知らない切り方の名称など、本書では、ごく初歩的なことからわかりやすく説明してある。必要最低限そろえればよい調理道具、火加減の目安、段取りの方法など、初心者でもちゃんと料理が作れるように丁寧に教え導いてくれるのだ。マンガやイラストをちりばめ、写真の配置が工夫された見やすく楽しい誌面構成なので、料理に慣れるまでの入門書といえるだろう。

 しかし入門書と侮るなかれ。レシピの数はとても多い。まずは肉や魚などと野菜を数種類組み合わせた簡単な「ひと皿でまんぞくおかず」。炒めたり煮たり蒸したりと、フライパンや鍋、レンジ等ひとつの道具で作れるレシピが30種類以上並ぶ。いつも料理をしている人間でも、新しい食材の組み合わせや味付けを発見できるレベル。

 たとえば、火さえ使わない「あえるだけ副菜とのっけ丼」。おつまみにもなりそうな副菜や、チーズや生ハム・豆腐・納豆・缶詰などを使った斬新な丼も、材料を混ぜるだけで済む。

 具だくさんの汁やスープ、完全栄養食である卵料理もきちんと紹介してあるところがうれしい。ソースにそのまま乾麺パスタを投入する方法などもあり、とにかく狭い台所でも少ない道具を駆使して簡単に作れるレシピばかりだ。そのうえ、若者好みのパンチのある味付けでボリューミー。エスニックな汁物など目新しくて見栄えも良い。

 今は子供も母親もそれぞれ忙しく、巣立つまでに料理を教える時間がなかった家庭もあるだろう。でも、本を一冊手渡すことはできる。そのときに、ぜひ活用してもらいたい。ネット上でレシピが氾濫している今だからこそ、料理本として存在意義があるのは、きちんと基本が習得できるようなこういう一冊だ。

 

出版社:学研プラス
書名:これでいいんだ!自炊ごはん
著者名:市瀬悦子
定価(税込):1,404円
税別価格:1,300円
リンク先:https://hon.gakken.jp/book/2380101000

西日本新聞 読書案内編集部

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