山笠委員異例の抜てき 上川端通 「応援組」野口さん、経験6年長崎さん

西日本新聞 ふくおか都市圏版

 博多祇園山笠で「走る飾り山笠」として人気の八番山笠・上川端通(嶋田高幸総務)は今年、3人の山笠委員のうち2人に未経験者を起用。熊本市出身の会社員野口博之さん(58)と上川端商店街で紙店を営む長崎正洋さん(55)を選んだ。野口さんは商店街外からの応援組では初の登用で、長崎さんも八番での山笠歴はわずか6年というスピード出世。異例の抜てきに、2人は「驚いたが、けがのない明るく楽しい祭りにしたい」と意気込んでいる。

 八番山笠は同商店街が母体。これまで山笠経験豊富な商店街の重鎮が委員を務めるのが一般的だった。

 野口さんは、もともと商店街とは縁もゆかりもないサラリーマンだったが、たまたま見物した「走る飾り山笠」の勇壮華麗な姿に一目ぼれ。15年前、紹介者もなしに「八番に出たい」と飛び込んできた異色の「山のぼせ」だ。ここ数年は外部から参加する企業関係者などの窓口役を務めた。

 一方、長崎さんは「子ども時代は飾り山笠の中で遊んだ」という博多っ子。若い頃に腰痛を患い、山笠から一時離れたが「血が騒ぐので山笠へのあこがれは消えなかった」。腰も癒えた6年前、商店街の大先輩から「八番に出んか」と誘われて快諾。今では八番を支える屋台骨の一人だ。

 2人の抜てきについて「商店街は年配者が多く(八番山笠の)後継者を育てる必要があった」と語るのは嶋田総務(78)。商店街の若手の多くは舁(か)き山笠の土居流に流れるため、人手不足は慢性的。外部応援が欠かせない現実もある。

 嶋田総務は野口さんを「会社員だけあって仕事ぶりがピシャッとしとる」と評価。長崎さんについても「いずれは八番山笠を背負ってもらわないと」と期待する。山笠委員は平日昼からの行事も多く「上司の理解はあるが、サラリーマンなのによく続いている」と笑う野口さん。長崎さんも「赤手拭だった去年までと忙しさが全然違う」。初体験の激務に驚く2人だが、目前に迫った本番に「舁き手たちとの再会が楽しみ。絆を強める祭りにしたい」。重責への覚悟はとっくに固まっている。

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