宇久島300年 刻む古文書 佐世保市 泊家伝来、観光協会に寄託

西日本新聞 社会面

 長崎県五島列島の北端にある宇久島(佐世保市宇久町)で10日、島を代々治めた泊家に伝わる古文書935点が宇久町観光協会に寄託された。江戸時代から昭和まで三百数十年の出来事が記録され、門外不出とされていたが、現当主らが「貴重な文書の存在を知ってもらおう」と公開した。

 記録は多岐にわたる。1813(文化10)年に全国測量中の伊能忠敬が泊家に2泊したこと、島で盛んだった鯨漁、五島藩・富江藩の領境地図、お金の借用証、外国貿易船の国旗彩色絵図もある。最も古いのは江戸時代初期の寛永年間(1624~44年)に書かれ、解読されていない文書が多いという。

 泊家の中で長男だけが見ることを許されていたが、傷みが目立つようになったため、25年ほど前から隣の小値賀島の歴史民俗資料館で虫干しや補修をして保管していた。最近になり、当主の泊孝吉さん(91)が観光協会の関係者らと相談して寄託を決めた。

 宇久地区公民館であった寄託式には、孝吉さんに代わって長男正孝さん(59)=福岡県糸島市、おいの芦塚隆さん(70)=福岡市=や島民が出席。長崎市の大浦天主堂キリシタン博物館の元研究部長、大石一久さん(67)は記念講演で「これだけまとまった古文書があるのは珍しい。宇久島の宝だ」と話した。

 観光協会は公民館で保存状態の良い15点を展示している。9月には小値賀島から全文書が宇久島に戻る予定で、それまでに保管場所を用意する。

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