IT企業に勤める知人は

西日本新聞 社会面

 IT企業に勤める知人は、各地の企業を回り、最新のデジタルツールの手ほどきをしている。多くは、歴史は長いが先行きは決して明るくない会社。彼の言葉に驚いた。「前は『良い人材がいない』という担当者の悩みをよく聞いたけど、最近は『悪い人材がいる』に進んでいる感じ」

 聞けば「悪い人材」は新しい取り組みや発想を頭から否定して実行に移させないという。最初はうなずいたが、疑問も生じた。会社をつぶしたい人はそういないし、その人にもアイデアや信じる道があるはず。それを知らないままに「悪」と断じていいものか。

 「悪い人材」以上に怖いのは、対話が途絶えることだ。心地よい仲間やモノだけに囲まれていると集団は同質化して排他的になる。柔軟だった考えが次第に踏み固められて、内向きの「思い込み」に変わったとき、人も組織も成長が止まる‐。自分にも、いつもそう言い聞かせている。 (福間慎一)

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