【きょうのテーマ】タクシーの舞台裏 24時間動き続ける無線配車室 福交タクシーセンター

西日本新聞 こども面

無線配車室では電話を受けると、オペレーターが地図上で近くのタクシーを確認して手配する 拡大

無線配車室では電話を受けると、オペレーターが地図上で近くのタクシーを確認して手配する

タクシーの位置が表示された地図を見ながら、客のもとへ配車する作業も見学した オペレーターたちと「無線配車室の心得」を読み上げた。乗客が満足するサービスのために、毎朝欠かさず行う タクシー車両の仕組みを教えてくれる山口海さん

 仕事先に急ぐビジネスマンや病院に行くお年寄りなどのもとへ、電話1本で駆けつけてくれるタクシー。場所を間違えず、素早く車を送り出す仕組みはどうなっているのだろう? こども記者が福岡市早良区の福交運輸事業協同組合(通称・福交タクシーセンター)を取材しました。

【紙面PDF】きょうのテーマ=タクシーの舞台裏 

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 同センターは福岡タワーそばのビルの一室にある。午前9時45分、会議室に無線配車室のオペレーターたちが集まった。無線配車室は24時間体制。これから、途中に仮眠や休憩をはさみ、翌日の朝までの間、客からの電話を受ける仕事が始まる。室長の山口克成さん(50)が「今日は市内で国際会議などがある。お客さまに迷惑がかからないように交通規制はしっかりと確認を」と呼びかけた。

 専用の無線配車室があるタクシー会社もあれば、組合に加盟して共通の無線室を使う会社や個人タクシーもある。同センターには福岡市内の11社が加盟し、車の数は小型から介護車両まで計約670台。街中にいる加盟社のタクシー運転手は、オペレーターから客のもとに向かうように配車指示を受けるのだという。

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 無線配車室では、電話が鳴る度に6人のオペレーターがすかさず受話器に手を掛けていた。「お電話ありがとうございます。福交タクシーセンターの○○です」。電話を取ると、なめらかな口調で話し始めた。客が自分の居場所を伝えると、「かしこまりました。なるべく急いで参ります」と応じて受話器を置いた。

 電話で対応している間、オペレーターが見ていたのは、地図が写ったコンピューターの画面だ。乗客名と迎えに行く住所を入力し、現場の近くにいる空車の位置を確認。その運転手に迎えにいくように指示するマークをクリックした。

 丁寧な言葉遣いで話しながら素早く配車するには集中力が必要だ。オペレーターに電話対応をしてもらいつつ、私たちも配車のマークをクリックする体験をさせてもらった。

 事務局長の田代秀利さん(68)は「18年ほど前まではオペレーターが『駅前方面』などと音声で呼びかけ、応答したタクシーに指示を出していた」と教えてくれた。各タクシーにGPSが付いている今はデジタル無線配車システムが主流。一番近くの車が自動的に画面に表示され、配車のスピードも速くなったそうだ。

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 配車作業で大変なことを聞くと、田代さんは「雨が降っている時や週末は電話が鳴りやまない。そんな時も、うちのタクシーを選んでくれたお客さまに1台でも多く配車できるように頑張っている」。うれしいのは「『ありがとう』の言葉が返ってくること」と目を細めた。

 ●「次も乗りたい」と思える運転手に 山口海さん

 便利な生活にはなくてはならないタクシーだが、運転手の人手不足や高齢化という課題を抱えている。私たちは福交運輸事業協同組合に加盟する会社、福岡交通の山口海さん(27)にインタビューした。

 -運転手になったきっかけは?

 集団行動が得意ではないので1人でできる仕事がしたかった。運転手の仕事は自分の頑張り次第で結果が返ってくる。渋滞を避けたり、お客さまが多い場所や時間帯を考えたりして、うまくいくとうれしいです。

 -心がけていることは?

 交通ルールを守って事故を起こさないこと。お客さまが希望する道を通ることも大切にしています。
 -行き先までの道がわからなかった場合は?

 お客さまに正直に話して、道を教えてもらい、ばっちり覚える。なるべくカーナビは使わず、景色を見ながら道を覚えています。

 -どんな乗客が多いですか?

 仕事の移動で使う会社員が多い。最近は外国からの観光客も増えていますよ。

 -どんな運転手を目指していますか?

 乗ってくれた人が「次も乗りたい」と思ってくれるようになりたいです。

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