年金問題 広がる不安「安心の将来像示して」 参院選佐賀

西日本新聞 佐賀版

佐賀市役所で期日前投票する有権者。年金問題について「候補者は将来像を示してほしい」との声も聞かれた 拡大

佐賀市役所で期日前投票する有権者。年金問題について「候補者は将来像を示してほしい」との声も聞かれた

 21日投開票の参院選は「老後に2千万円の蓄えが必要」とする金融庁審議会の報告書に端を発した年金制度が争点となっている。県内の有権者にも老後や年金への不安が広がるが、その声は佐賀選挙区の与野党候補に届いているのか。

 「寿命にもよるが、2千万円近い貯蓄はやはり必要になる」。佐賀市の自営業の男性(73)はそう実感する。2人の子どもは結婚して手を離れたものの「働かないと年金だけでは暮らしていけない」。

 20代で父親の元で働き始め、約10年前に兄から家業を継いだ。保険料を納め続け、今は夫婦合わせて十数万円の年金を受給。働いてもお金は足りず、食費や光熱費を切り詰めてやりくりする。10月に控える消費税増税。「さらに生活は厳しくなる。政治家に庶民の質素な生活は理解できないだろう」と漏らす。

 政府が唱える「100年安心」の年金制度。少子高齢化が進んでも、年金の給付水準を抑えれば制度上は100年持つという意味だ。老後の「安心」を期待してきた人からすれば、2千万円の資金不足問題は将来不安に拍車をかける。

 「将来、本当に年金を受給できるのだろうか」。今は高齢者を支えるが、いずれは支えられる立場になる鳥栖市轟木町の精神保健福祉士、安原大和さん(37)は不安を隠さない。

 2千万円という数字が独り歩きし、将来不安が煽(あお)られることを懸念する声もある。佐賀市呉服元町で農産物販売店を営む丹下雄大さん(30)は「求める生活水準は人や地域によって異なる。2千万円もの貯蓄が本当に必要なのか」と疑問を呈する。

 若者にすれば、なかなか40年余りも先を思い描けない。佐賀女子短大地域みらい学科2年の古賀千聖さん(21)は「老後のことは想像できないが、2千万円の貯蓄が必要と聞くと、お金持ちしか満足な暮らしができないのかと不安になる」と言う。

 若者を覆う、漠とした不安。年金に限らず、安心できる将来像を描いてほしいと参院選候補者に期待を込める。「少子化対策や子育て支援策を含め、私たちが将来困らないような政策を示してもらいたい」

 佐賀選挙区は与野党候補の一騎打ち。自民現職山下雄平氏(39)は「バラ色の制度はなかなかない。だからこそ経済を成長させないと年金の運用額を増やしていけない」と訴え、国民民主元職犬塚直史氏(64)は「100年安心と言われた年金は2千万円の貯蓄が必要な年金になった」と批判する。ただ、いずれも、老後不安を解消する具体的な道筋を示せてはいない。

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