改憲、今度は積極発信 首相、参院選公示後初の九州入り

西日本新聞 総合面

与党候補の応援演説を終えて有権者とハイタッチする安倍晋三首相=午後6時すぎ、福岡市・天神 拡大

与党候補の応援演説を終えて有権者とハイタッチする安倍晋三首相=午後6時すぎ、福岡市・天神

 安倍晋三首相(自民党総裁)は11日、参院選公示後初めて九州入りし、大分、福岡両県で自民候補らへの支持を呼び掛けた。報道各社の序盤情勢調査で好調な滑り出しを見せたことを受け、持論の憲法改正を前面に出して聴衆にアピール。「審議を拒否してばかり」と野党批判を展開した。

 「私たちは憲法論議に終止符を打つため、憲法に自衛隊を明記する」

 この日午後、大分市中心部の商店街の広場に集まった約2500人(陣営発表)を前に、首相は力強く訴えた。

 大分選挙区(改選数1)は事実上、自民現職と無所属新人の野党統一候補との与野党対決。2016年の前回選挙は、九州の1人区で唯一自民が敗北した「激戦区」とあって、野党批判ではボルテージを上げて訴えかけた。「共産党は自衛隊は違憲、解消すると言っている。共産党に応援されている相手候補に負けるわけにはいかない」

 首相は16年参院選や17年衆院選では、宿願であるはずの憲法改正に具体的に触れず、「争点隠し」という批判を浴びた。一転、今回は街頭演説で積極的に発信し、野党批判の材料にもしている。

 衆参とも憲法改正の国会発議に必要な3分の2以上の議席を「改憲勢力」で占めながら、憲法審査会の議論は停滞したまま。情勢調査で与党優勢との結果を踏まえ、争点に掲げて参院選に勝つことで論議を加速させたい考えがにじむ。

 同日夕、福岡市・天神の市役所前では、福岡選挙区(改選数3)の自民現職と並んで広報車の上に立ち、「未来に向かって堂々と議論を進めていく候補者や政党を選ぶのか、審議を拒否する候補者や政党を選ぶのかを決める選挙だ」と絶叫。首相の投げ掛けに、日の丸の旗を振ったり拍手したりして応える人もいた。

 首相は今回の選挙戦で初めて、連立政権を組む公明党の候補の応援にも駆け付けた。市役所前から約200メートル離れた公園で開かれた公明新人候補(自民推薦)の集会では連立の意義を強調する一方、公明の山口那津男代表が憲法の争点化に疑問を呈していることに配慮してか、憲法改正には言及しなかった。

 大勢の聴衆が詰め掛けた天神周辺では「がんばれ! 安倍さん」という横断幕が登場。「安倍辞めろ」「頑張って」の両方の声が飛んだ。

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